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 サッカーJ1川崎で18年間プレーしてきたMF中村憲剛(40)の引退セレモニーが21日夜、川崎の本拠・等々力陸上競技場で開かれた。中村は「本当に最高のプロサッカー選手生活でした。川崎フロンターレに入れて本当によかった。みんなと会えてよかった。僕は今日のこの景色は一生忘れません」とあいさつした。

 あいさつで中村は、川崎でのプレーを夢見る子どもたちに「今も僕は、体は華奢(きゃしゃ)。体の小ささや身体能力の低さはハンデではない。悩んでいる子はいっぱいいると思う。けど、そうじゃないと僕のキャリアが言っている」と呼びかけた。続けて「子どもたち一人ひとりみんなに可能性がある。自分にベクトルを向け、1日1日頑張っていれば必ず道は開ける。周りが助けてくれる」と語った。

 セレモニーは川崎の優勝報告会を兼ねて行われ、約1万3千人が参加した。中村の長男(12)が「憧れる存在でした。成長していくとともにお父さんがサッカー選手だとわかり、自分もサッカーが好きになりました。前十字(靱帯(じんたい))を切ったときも、前向きにリハビリをしていたよね。その頑張っている姿に、僕はすごい人なんだなと毎日感じていました」と手紙を読み上げると、中村は涙を流した。

 地元消防局は消防車で垂れ幕を掲示。震災後の復興支援で中村と交流のあった岩手県陸前高田市の関係者もそれぞれ謝意を伝えた。長年苦楽をともにした川崎のFW小林悠も涙ながらに感謝を述べた。(堤之剛)