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 方言は真実の自白を引き出すときもあれば、人権を侵害することもある「両刃の剣」――。岡山理科大准教授の札埜(ふだの)和男さんがこんな研究をまとめた。取り調べで方言は親しみを感じさせる道具として使われる一方、無実の人にうその自白をさせてしまうおそれもある。「研究が冤罪(えんざい)をなくす一端になれば」とねがう。

 関西地方の警察署の取調室。強盗容疑をかけられた男性にむかって刑事が「夢とかあるやろ」と語りかけたあと、沈黙の間を置いて一言。「で、どや?」。黙秘したいと伝える男性にも「そんなん、ええねん」とやさしく、やんわりと拒絶する。一方で、「何が否認じゃ!」とときに取調室に響きわたるほどの高圧的な関西弁も。後に無罪になった男性は「関西弁の迫力はすごい」と思ったという。

 昨年12月に出版された「実践方言学講座 第3巻 人間を支える方言」(くろしお出版、税抜き4300円)に盛りこまれたエピソードだ。複数の方言研究者らの調査をまとめた。

 このうちの一章を担当した札埜さんは大阪府交野市出身の元高校の国語科教諭。「大阪弁『ほんまもん』講座」などの著書がある方言の研究者だ。今回の研究では、方言と取り調べの関係について、さまざまな「実例」を紹介した。執筆にあたって、捜査や司法の関係者ら十数人にインタビューをした。

わざと関西弁を使った警察官

 関西で働くある警察官は、相手…

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