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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた今季のプロ野球をめぐり、12球団の社長らが朝日新聞の取材に応じた。中日の矢野博也球団社長が、インタビューで今季を振り返った。

 ――今季はどのあたりが一番困難でしたか。

 「沖縄にキャンプで入った時はここまで感染が拡大するとは思わなかった。例年、選手にはインフルエンザの予防を必ずさせているので、手洗いやうがい、マスクの着用などはこれまでも言ってきている。でも、今年ほど徹底した年はなかった。ホテルでもうがい、手洗い、検温、体重測定を行った。例年、インフルエンザにかかる選手がいるが、今年はみんなが気をつけてくれた。おかげでキャンプインしてからはいなかった」

拡大する写真・図版中日の矢野博也球団社長

 「ただ、名古屋に帰ってくると、ぜんぜん様子が違った。開幕の予定がずれ、6月19日に始まることが決まったが、これだけ遅れると選手が体調、調子を維持するのが本当に難しい。ソーシャルディスタンスが必要なので、ナゴヤ球場での自主トレは屋内練習場、球場、トレーニングルームに2人ずつ分かれ、1組6人、1日5組程度で行った。野球は全体練習をやらないと練習にならない。他チームもそうだと思うが、故障者が今季は多く、特に脇腹を痛めた選手が目立った。選手は暖かくなると、自分の体ができていると思うので、6月には思い切り動いてしまった」

拡大する写真・図版ナゴヤ球場の一塁側ベンチを消毒する作業員ら=2020年3月30日午前7時10分、名古屋市中川区、上田潤撮影

 「これまでサーモグラフィーなんて見たこともなかった。マスクも半端な数では足りない。ナゴヤドームでは1日に一番多いと3千人ほどが働く。用意をするにも、どこにも品物がない。いろいろなつてを頼って調達した。他球団から『うちはこれが足りているので融通しましょうか』と資材調達の申し出もあった。6球団、どこかで足りなければ試合ができないわけですから」

 「4月や5月の連休が開幕だったら、十数試合分くらいしか用意できなかったのではないか。6月19日の開幕はある程度、めどがついたころだった」

 「あとは試合運営の態勢の構築。感染防止は絶対。選手の動くところは一切、立ち入り禁止区域を作った。さらに安全のための動線の確保。作業の人数や報道関係も制限させてもらった。検温、消毒をしてもらい、ボールエリアには入らないように。来客やスポンサー、仕事関係の方は極力、球団事務所で対応させていただいた。さらに一番大事なのは入場者の安全確保。換気、消毒、マスク、大声での応援を控えてもらうなど協力をお願いした」

 「何事も自分たちだけでは決められない。12球団で一致し、政府から許可をもらわないといけない。愛知県だと知事や名古屋市長に会い、ナゴヤドームの換気システムの優秀さを説明して理解をお願いした」

 ――今季は40万弱の入場者数にとどまった。去年より大幅に減りましたが。

 「ほぼ17%。ホームゲームが…

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