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 作家の村上春樹さんが仏紙リベラシオンのインタビューに応じ、21日の紙面で新型コロナウイルスの感染拡大について「グローバル化やポピュリズムと切り離せないできごとだった」などと振り返った。同紙東京特派員の質問に日本語で応じ、紙面に仏語訳が掲載された。

 同紙によると、村上さんは「自分にとっても、2020年はコロナの年だった」と振り返り、コロナ禍について「何もないところから突然出てきたものではない。一連のできごとの中にある」と指摘。経済のグローバル化やポピュリズム、インターネットやSNSの発達といった動きと切り離せないとの見方を示した。

 政府や政治家が自分たちの利益や権力の維持に都合のいいような政権運営をした場合、「この方向に行ってはいけない、と言うのが科学者や研究者の役割だ」として学者の役割に期待した。

 最近気にかけていることとして、SNS上で交わされる言葉や言論が貧しくなっている、との認識を示した。「批判を受けたら(それには応えず)別の批判を投げ返している。方法として恥ずべきこと。日本の首相さえそうやってふるまっている」と嘆き、「自分の中に何をもっているのか、明確に説明しなければいけない」と注文した。(パリ=疋田多揚)