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殺してしまおう…何度も考えたALS介護「愛で解決は」

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諸永裕司
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 ALS(筋萎縮性側索硬化症)の母をみとるまで12年。川口有美子さん(58)は何度も「殺してしまおう」と思ったという。いまは、難病患者にヘルパーを派遣する事業を営む。介護から見える死と生の分岐点、そしていまの社会の姿についてたずねた。

     ◇

 ALSを患っていた京都の女性が昨年11月、2人の医師の手を借りて命を絶った。

 「面識はなかったけど、彼女は生きることも選択肢のひとつにしていたはず。治療法などの情報も集めていた、と聞いていますから」

 全身の筋力が衰え、次第に体が動かなくなり、最後は呼吸が止まる。それにおびえながらも、女性は実家を出てマンションを借り、ヘルパーの介護を受けながら意思疎通を図り、瞳の動きでパソコンを操り、ひとりで生活を成り立たせていた。

 それがいかに難しいことか。川口さんは、難病患者へヘルパーを派遣する会社を営むだけにわかるという。

 「患者はやじろべえのように…

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