民主主義体制が世界で退潮しはじめ、中国やロシアなどの独裁・専制政治といった権威主義体制が勢いを増している――。
そう聞いて、「ん? それは『米国第一』を掲げたトランプ大統領の登場や英国の欧州連合(EU)離脱で、情勢を誇張しているだけではないのか」と思う方も多いと思います。ところが、実態は我々の想像よりはるかに深刻なようです。新型コロナウイルスの感染拡大によって、「民主主義の退潮」に拍車がかかっている、というのです。
私は、外務省や防衛省などの役所取材に加え、米政府関係者や日米専門家、学者、シンクタンクなどの勉強会やイベントにも参加しています。そうした外交・安保コミュニティーのなかでも、にわかに「民主主義の退潮」がクローズアップされつつあり、国際社会の地殻変動を感じています。
安全保障・軍事防衛問題に関する理論的・実証的な研究を行う国際安全保障学会の年次総会が今月初旬にあり、私も参加しました。そこでは「民主主義と権威主義のどちらに優位性があるのか」が議題の一つに浮上しました。
「昨年、世界で民主主義国・地域は87で、非民主主義国は92。18年ぶりに民主主義国が少数派に転落した」
報告者から、そんなスウェーデ…
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