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 日本看護協会(日看協)は22日、新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れた病院の2割で看護師の離職があったという調査結果を公表した。労働環境の変化や感染へのリスク、周囲からの差別などが理由とみられる。

 日看協は9月、全国約8300病院の看護部長を対象に調査を実施。第1波の状況を振り返り、看護師の労働環境の変化などについて回答を求めた。2765件の回答があった(有効回収率34%)。感染症指定医療機関や協力医療機関など、感染者を受け入れていた病院は1138件(41%)、それ以外の病院が1627件(59%)だった。

 新型コロナの対応で、配置転換など労働環境の変化や、感染リスクを理由にした離職があったと回答した病院は全体で15%。感染者を受け入れていた病院に限ると21・3%に上った。同時に実施した介護施設や訪問看護ステーションの調査では、離職は4~5%だった。

 これとは別に、約3万8千人の看護師が調査に回答。57%が新型コロナに対応する業務に従事していた。感染拡大の影響で全体の21%が差別や偏見があったと回答した。内容は「家族や親族が周囲の人から心ない言葉を言われた」が28%で最多。「患者から心ない言葉を言われた」が20%、家族や親族が勤務先から出勤を止められたとの回答も8%あった。差別や偏見があったと答えた看護師のうち、15%が「離職して看護師以外の仕事で働きたい」、14%が看護業務も含めて「働きたくない」と答えた。

 福井トシ子会長は「これまでで最大の波がきている現在、看護職員の心身の疲労もピークを迎えている」と指摘。年末で退職したいという看護師の声は少なくないとして、離職者が増えることを懸念した。福井会長は「使命感だけではすでに限界に近づいていると言っても過言ではない。(看護職への)最大の支援は感染しないこと。一人ひとりが感染予防に努めてほしい」と呼びかけた。(月舘彩子)