華美にしないのに… 五輪開閉会式の予算、2度目の増額

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 東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの開会式・閉会式にかける予算が、2度目の増額となった。大会組織委員会はコロナ禍の五輪にふさわしい開会式・閉会式の姿として華美なものを極力なくす方針なのに、予算は逆に増えることになった。

 開会式・閉会式の予算の上限は招致時、91億円だった。大会開催決定を受け、組織委は2017年11月、広告大手の電通を制作委託事業者に選んだ。総合統括には狂言師の野村萬斎氏が就任した。

 演出案に基づいた概算をもとに組織委は19年2月、上限額を130億円に増やした。さらに22日、上限額を165億円に増やすことを理事会で承認した。

 森喜朗会長は、時間の短縮や参加人数の減少を主張している。組織委は運営も簡素にするなどして、コストを削減した。

 しかし、延期に伴う人件費の増加分や、すでに作ってある構造物の保管などにかかる支出が、コスト削減分を上回ったという。武藤敏郎事務総長は「コスト削減を実施した上で避けられない支出」と理解を求めた。

 国際オリンピック委員会(IOC)は大幅な規模縮小には反対の立場をとっている。開会式・閉会式では、選手村から会場の国立競技場までバスで選手をピストン輸送する。ある組織委幹部は、その際に選手の人数を制御できる、と見ている。

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