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 発光ダイオ―ド(LED)大手の日亜化学工業(徳島県阿南市)は、LEDで紫外線を照射して新型コロナウイルスを不活化して殺菌にも利用できる装置を開発したと発表した。一定の条件下で99・99%の不活化効果があると実証され量産体制を整えたという。

 同社によると、LEDで光の波長の短い深紫外線を新型コロナウイルスに照射することで、ウイルスのRNA(リボ核酸)にダメージを与え、遺伝情報(ゲノム)を複製する働きを弱める効果がある。

 260ナノメートル(ナノは10億分の1)の波長が最も効果があるとされているが、光出力を高めることで280ナノメートルの波長でも同程度の効果が得られることが分かった。

 深紫外線LEDは波長が265ナノメートルのものは推定寿命が約2千時間とされる。一方、280ナノメートルにすると約2万時間と寿命が10倍になる利点もあり、需要が高まることが見込める。

 同社は深紫外線LEDを12個直列に並べた試作機を作り、ウイルス学が専門の野間口雅子・徳島大大学院教授らに実験してもらった。その結果、波長280ナノメートルの試作機で30秒間照射すると、新型コロナを99・99%不活化することが実証されたという。

 流水で手洗いをした場合や消毒用アルコールでも同程度の不活化効果があるとされるが、試作機の距離を殺菌対象から数ミリまで近づければ一瞬で同じ効果が得られる。このため、空気清浄機やエアコンなど家電の内部に取り付けたり、紙類などの消毒に活用できたりする可能性がある。ただし人体への影響を考慮すると、肌に直接照射することは困難という。

 17日に徳島市内で記者会見した同社の鎌田広専務取締役は「業界最高レベルの製品として量産化の体制も整っている。年明けにも、試作機のハンディー照射器を徳島大学や県に寄贈したい」と話した。(雨宮徹)