拡大する写真・図版出生前検査のあり方を議論する専門委員会=2020年10月28日、東京都港区、市野塊撮影

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 妊婦の血液からおなかの赤ちゃんにダウン症などの染色体異常がないかを調べる新型出生前診断(NIPT)等について、厚生労働省は新たな専門委員会を立ち上げました。きっかけは、日本医学会の基準を満たしていない認定外施設で行うNIPTの検査数が増えたためです。NIPTを含めた出生前診断にはどんな課題があり、どう向き合っていけばよいのでしょうか。専門委員会のメンバーでもある、出産ジャーナリストの河合蘭さんが寄稿しました。

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検査結果は「陽性」、家族は・・・

 当時40代半ばだったその女性は、妊娠3カ月の妊婦健診で通常の超音波検査を受けた時、医師に「ダウン症の可能性が高い所見があった」と指摘されました。そこでNIPTを受けることにしました。

 遺伝カウンセリングを受け、血液を採取し、結果を待ちました。結果を聞きに施設を訪れた日の出来事です。

 「気が付いたらソファに寝かされていて、遺伝カウンセラーさんがお水をもってきてくれました。少しの間、気絶していたらしいんです」

 NIPTで「陽性」と告げられた時の大きな衝撃を、女性はこんなエピソードで教えてくれました。

 女性は、自分の年齢では、子どもにダウン症が出る確率が20代の10倍以上に上がっていることを知っていました。検査を受けた施設も、検査の前と後に個室で十分な遺伝カウンセリングが行われる認定施設を選んでいます。それでも、異常があると言われた体験は、単なる不安とまったく違い、想像していたものとは天と地ほどの差があったと言います。

 女性は、その後も大変な思いをしました。長年の不妊治療の末、授かった命。その後の羊水検査でダウン症であるという確定診断がついた後も、ぜひ産みたいと思いました。

 しかし夫の実家は、産むことにとても強く反対しました。女性は結局、妊娠を継続する意思を貫きましたが、夫は親と妻の間で板挟みになり、眠れなくなってしまったといいます。

 女性が夫の実家と和解できたのは、妊娠後期に赤ちゃんの容体が急変し、亡くなってしまってからのことでした。

 NIPTを含めた出生前診断が…

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