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 農林水産相在任中に鶏卵業者から計500万円を受け取った疑いがあるとして、自民党衆院議員だった吉川貴盛・元農林水産相(70)=22日付で議員辞職=が23日までに東京地検特捜部から任意の事情聴取を受けたことがわかった。特捜部は業者側の聴取や農水省からの資料提出といった捜査も進めており、収賄容疑での吉川氏の立件を視野に本格解明に乗り出す。

 関係者によると、農水相だった吉川氏は2018年11月に都内のホテルで200万円、19年3月に大臣室で200万円、同年8月にも大臣室で100万円の計500万円を、鶏卵生産・販売大手「アキタフーズ」(広島県福山市)の前代表(87)から受け取った疑いがある。前代表は、家畜のストレスを減らす「アニマルウェルフェア(動物福祉)」に基づいた飼育基準づくりを進める国際機関に「農水省として反対意見を出してほしい」などと依頼したという。

 前代表は特捜部の調べにも、吉川氏に計500万円を渡して動物福祉をめぐる依頼などをしたことを認め、「業界のためだった」と説明しているという。特捜部は大臣の職務に関して受け取った賄賂の可能性があるとみて、吉川氏から授受の有無や趣旨の説明を求めたとみられる。

 検察当局は7月、衆院議員・河井克行被告(57)と妻の参院議員・案里被告(47)を逮捕した選挙買収事件の関連先としてアキタ社を家宅捜索。会計記録の分析や前代表の聴取を通じ、吉川氏への現金提供の裏付けを進めてきた。

 吉川氏は21日、慢性心不全などの治療中で近く手術を受けるとして、議員辞職を表明した。