[PR]

 中国が民主化運動を武力弾圧した1989年6月の天安門事件で、中国政府が示すべき声明案を日本の外務省が作り、助言していたことが23日公開の外交文書で明らかになった。人権問題として欧米が非難を強める中、発展途上だった中国への最大の援助国として協調を促す狙いだったとみられる。

 A4一枚の「中国政府声明(案)」で、①今次事態は、純粋に中国の国内問題。一部の扇動分子が人民共和国の転覆を図ったものであり、党・政府はこれに断固反撃②今次動乱において多数の死傷者が出たことは誠に遺憾。中国政府としてこのような事態を回避するよう最大限努力した③中国においては、経済体制改革と並んで政治体制改革を推進しており、今後も民主を求める人民の合法的要求に十分配慮④「改革と開放」は今後とも不変。中国は友好国との協力関係を引き続き希望――を示した。

 情報の機微などを理由に情報源を開示しない「内話(ないわ)」を記した89年6月27日付極秘文書と一緒のファイルにとじられていた。当時の阿南惟茂中国課長が中国側と懇談し、事件を「残念であると同時に憤りを覚える」「日本は今後は国内では選挙、国際的にはサミット(主要国首脳会議)を控え中国に厳しい対応も出てくる」と説明。民主化要求への理解など「中国政府声明(案)」の②③④と重なる助言をし、そうした見解が「明確にでれば、国際世論の印象も改善の方向に変わっていく可能性がある」と促した。

 阿南氏の懇談相手は今回の文書…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。