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 23日公開された外交文書で、日本政府の天安門事件への対処方針を作成する舞台裏が明らかになった。民主化運動を武力弾圧した中国をどう扱えばアジア太平洋地域の混乱を防げるのか、最大の対中援助国として影響力のあった日本外交の戦略と腐心が表れている。

 外務省が極秘指定を解いた一連の文書のうち、1989年6月4日の天安門事件当初の日本政府の方針の骨格は、9日付「大至急」電報に記されている。当時の中島敏次郎・駐中国大使が外務省に「諸外国の対中圧力により中国指導部が態度を変更する可能性は考えられず、かえって逆効果となる。ますます対外姿勢を硬直化する危険がある」と伝え、欧米諸国による対中制裁に同調しないよう求めた。

 15日付の外務事務次官から宇野宗佑首相への説明用メモ「今後の対中政策」では、事件を「人道的に容認できない」としつつ、中島大使同様に「中国への制裁は逆効果」として「中国孤立化」回避の方針を明示。「中国が国際的に納得の得られる立場の表明を行えば関係を復旧する上で望ましい」と踏み込んだ。

 7月中旬の仏アルシュ・サミット(主要国首脳会議)の事前協議で中国問題が焦点になり、サミットに臨む方針検討を外務省で担う情報調査局は6月21日付で「アルシュ・サミット政治問題(中国問題対処方針)第1案」を作る。

 基本方針として①中国との関係…

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