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 女性教職員への強制わいせつ罪で実刑判決を受けた東京福祉大(東京都豊島区)の中島恒雄・元総長(73)が11月20日付で総長に復職していたことが、大学への取材でわかった。文科省は中島氏が運営に関与するのは不適切だと指導しており、大学側に経緯の報告を求めている。

 中島氏は2008年、女性教職員5人の体を触るなどしたとして逮捕され総長職を辞職し、懲役2年の実刑判決を受けた。

 私立学校法は、禁錮以上の刑に処せられた場合は学長になることができないと定める。中島氏は出所後、罰金以上の刑を受けずに10年が経過。刑法の規定により刑の効力は消滅しており、法的には復職が可能だ。

 ただ事件後、大学は文科省の指導に対し、中島氏を運営に関与させるつもりはないとの説明を繰り返してきた。昨年2月には、出所後10年のタイミングで復職させる意向を文書で示したが、文科省の指摘を受け撤回していた。

 大学によると、中島氏は現在、学長と大学を運営する学校法人の理事長などを兼務している。文科省の担当者は「復職はこれまでの説明と食い違うもので、大学自身が示した(トップへの権限集中を是正するとした)再発防止策にも反する」と話す。

 大学の担当者は取材に「卓越した人格と学識を持つ中島氏の強いリーダーシップを求める声が学内で自然発生的にあがったため」と復職の理由を説明した。復職に法的な問題はないとし、「余人をもって代えがたく、宝の持ち腐れになってしまう」とも述べた。

 東京福祉大をめぐっては2019年、3年間で計約1600人の留学生が所在不明になっていたことが判明。名古屋市にある系列の専門学校でも定員の7倍超の留学生を受け入れていたことが問題となった。(鎌田悠)