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 新型コロナウイルスによる岩手県内の死者は20人に上り、東北6県で最多となっている。感染者に対する死者の割合は5・83%で、全国的にも高い数字だ。県は医療機関や福祉施設でのクラスター発生が主な要因としている。

 県によると、20人はいずれも基礎疾患がある65歳以上の高齢者。11月22日に県内初の死者が出た後、12月14日に10人を突破。その後、1週間余りで20人に達した。この間、クラスター(感染者集団)が発生した鶯宿温泉病院(雫石町)の関連の感染者が増え、23日現在で98人となっている。

 県内では23日に新たに2人の感染が確認され、感染者の累計は343人。23日午後7時現在の東北の感染者数と死者数は、青森県が403人で6人(死亡率1・48%)、宮城県が1873人で13人(同0・69%)、秋田県は104人で1人(同0・96%)、山形県が334人で3人(同0・89%)、福島県が782人で14人(同1・79%)。

 岩手での死者が多いことについて、県医療政策室はクラスターが発生した病院や福祉施設にウイルスが入ったことが直接的な要因と分析。ただ、工藤啓一郎室長は「何度もPCR検査して患者を隔離したり、重症化防止のため医師や看護師を多く配置したりして(感染拡大を)抑えられつつある」としている。

 県は23日、鶯宿温泉病院を調査した国のクラスター対策班の報告書について説明した。院内で感染が拡大した経路は不明とした上で、12月8、9日に発症した患者が多いことから、逆算して11月20日前後にウイルスが持ち込まれた可能性があると指摘した。

 11月下旬には複数の入院患者が発熱しており、院内で情報共有がされていたが、保健所には連絡せず、PCR検査を実施しなかったという。工藤室長は「ADL(日常生活動作)の低い方が多いため、発熱がコロナによるものと探知できなかった」と話す。

 また、対策班からたんの吸引など患者のケアで医療従事者と患者の距離が近くなりがちなことや、スタッフの休憩室が狭いとの指摘を受けたという。

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 23日に感染が確認された2人のうち、1人は盛岡市の30代女性で、鶯宿温泉病院の看護師。感染が確認された病棟で働いていた。

 もう1人は盛岡市の70代無職女性で8~12日に東北ではない県外へ外出していた。盛岡市保健所はそこで感染した可能性があるとみている。(御船紗子)