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 真言宗御室(おむろ)派総本山で世界遺産の仁和寺(にんなじ、京都市右京区)は、寺北西の境内地・成就山(じょうじゅさん)にある御室八十八カ所霊場の各堂を「OMURO88」と称し、キャラクター化するプロジェクトに取り組んでいる。関連グッズの売り上げの一部を、お堂や参道の整備費に充てる。

 寺によれば、同霊場は江戸時代の1827年ごろ、四国八十八カ所の巡礼が難しい人々のため、当時の仁和寺の門跡(住職)が発案した。四国の各霊場の砂を成就山のお堂に納めたのが始まりで、約3キロの道のりを約2時間で巡礼できる。

 ただ、老朽化に加え、2018年の台風21号などで建物の破損や倒木、斜面の崩落などが深刻化。7年かけてお堂や参道の修理、樹木の植栽などの整備を進める計画を立てた。その一環で、若者たちにも関心を持ってもらおうと、アニメやマンガなどに詳しい東京在住のプロデューサー・鈴木龍道(りゅうどう)さんに打診し、キャラクター化を決めた。

 キャラクター名は四国の札所の名前から採った。1番札所の霊山寺(徳島)にちなむ「霊山一会(りょうざんいちえ)」は、初めてのお遍路さんに作法などを教えるキャラクター。88番札所の大窪(おおくぼ)寺(香川)に由来する「大窪遍音(あまね)」はすべてのお遍路さんの結願を見守るのが役目で、周囲に多くの金剛杖を描いた。

 関連グッズとして、各キャラクター88種類と四国の各県別にキャラクターが集合した4種類の計92種類のクリアファイル(各550円)も制作。徳島は名産のスダチの緑、高知は海の紺色、愛媛はミカンの橙(だいだい)色、香川はうどんの白をベースにした。護摩(ごま)供養をする毎月25日、御室八十八カ所霊場の88番札所で販売する。

 鈴木さんは「寺院でこれほどの規模でキャラクター化が進められるのは珍しい。感無量だ」と話した。仁和寺の吉田正裕執行長は「国内外の若い人たちに知ってもらい、復興を進めたい」と期待を寄せた。(大村治郎)