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 東京電力の内部で有志による改革案づくりが進められていた。福島第一原発事故から半年ほどが過ぎた2011年夏ごろから年末にかけてのことだ。プロジェクトは「コードネーム『希望』」と名づけられた。完成した改革案は「希望の書」と呼ばれ、当時の東電経営陣にもひそかに提出された。

 それは「東電解体」と言えるほど革新的なものだった。燃料調達や火力発電部門などは「グッド東電」として分社化し、最終的にはそれぞれ売却して賠償や廃炉の費用を捻出する。原発事故で大きな重荷を抱えた原子力部門は「バッド東電」として切り離し、国有化する。見方を変えると、原発事故の後始末を原子力部門と国に押しつけ、原発とは無関係な社員たちが、事故による負の遺産から解放されるという、彼らにとってはまさに「希望の書」だった。

 東電経営陣はこの改革案を受け入れなかったが、その一部はのちに、燃料・火力部門の分離という形で実現することになる。当時、国とその実動部隊である原子力損害賠償支援機構もまた、東電に大胆な組織改編を迫っていた。国の念頭にあったのは、欧米で進む電力小売りの完全自由化や「発送電分離」にあわせた組織の姿だった。

東京電力の実質国有化には、国が東電の経営権を握り、東電の改革を加速させるという目的がありました。ただ、その背後には、東電を、経済産業省が実現をめざしてきた「発送電分離」のモデルにするという思惑も見え隠れします。

 つまり、東電を発電部門と送配…

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