拡大する写真・図版人通りの減った新世界。飲食店の呼び込みが肩を落として歩いていた=2020年12月13日午後、大阪市浪速区、金居達朗撮影

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 新型コロナウイルスの感染者が中国で確認されてから約1年。関西空港の国際線はほとんどが運休となり、「インバウンド」の好況に沸いた大阪の街から訪日旅行客の姿が消えた。街の風景はどんな風に変わったのだろうか。カメラを手に訪ねてみた。

閑散とする関西空港

 昨年まで年末は旅客であふれていた関西空港の国際線出発フロア。大半のチェックイン窓口が閉まり閑散としていた。列に並ぶ旅客はフェースシールドを着け、静かに手続きを済ませていた。

拡大する写真・図版関西空港の国際線出発フロアは大半のチェックイン窓口が閉まり、閑散としていた=2020年12月12日午前、関西空港、西岡臣撮影

 約1年ぶりに台湾の実家へ帰るという女性(38)は「去年は待合席に座れないほど人がいたのに、今は暗くて悲しい。すぐに昔のようには戻らないと思うが、早く人出が回復してほしい」と話した。

 フィリピン行きの飛行機を待っていた貨物船関連の会社に勤める男性(73)は、年に2回ほど海外へ出張しているという。薄暗いフロアを見渡し「こんなに寂しいのはこの10年で初めて」とため息まじりに話した。

拡大する写真・図版閑散としている関西空港=2020年12月12日午前、関西空港、西岡臣撮影

黒門市場も閑古鳥

 スーツケースを引く外国人観光客で混み合っていた大阪の繁華街・ミナミ。鮮魚店や精肉店などが並び、食べ歩きを楽しむ外国人観光客でにぎわっていた黒門市場では、人通りが激減。シャッターが閉められた店も目立つ。

拡大する写真・図版人通りが消えた黒門市場=2020年12月8日午後、大阪市中央区、西岡臣撮影

 黒門市場商店街振興組合によると、人通りは昨年に比べて9割減。今年の3月末~12月中旬までで、飲食店など16店が閉店した。地元住民を呼び込もうと、加盟店約70店が100円、500円で生鮮食品などを提供する「ワンコイン市」を開催。一時は客足が回復したが、12月に入って感染者が増加した影響で商店街を訪れる人は再び減っている。

拡大する写真・図版「去年の売れゆきが夢だったかのよう」。店に立つ鮮魚店「ふな定(さだ)」の従業員の中村年孝さん=2020年12月8日午後、大阪市中央区、西岡臣撮影

 「去年の売れゆきが夢だったかのよう」。黒門市場で90年近く営業する鮮魚店「ふな定(さだ)」の従業員の中村年孝(としたか)さん(49)は苦笑いした。12月の売り上げは去年の3分の1ほど。例年なら年末はカニなどの高額商品が売れるのだが、「今年は壊滅状態。来年の状況は全く見えないが、店は続けるしかない」と話した。

「赤信号」の通天閣では…

 大阪のランドマーク、通天閣があり、関西空港からも近く外国人観光客にも人気の大阪市浪速区の観光地、新世界。飲食店従業員の口からは、「えべっさんであかんかったら閉める」「10組来たらええほうや」「外国人観光客はゼロ」とため息が漏れる。

拡大する写真・図版午後7時前なのに、客の姿が無い新世界の串カツ店「ひろたか」=2020年12月13日午後、大阪市浪速区、金居達朗撮影

 本来であればかき入れ時の12月、新型コロナウイルス感染拡大の第3波の影響も響いている。12月3日、大阪府独自の基準「大阪モデル」で非常事態を示す「赤信号」の点灯に伴い通天閣が赤色にライトアップされた。

 「赤信号のふもとでは、お客さ…

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