[PR]

 2年前の3月、岡山市の駐車場。県内の多くの中学で卒業式があった日の午後のこと。

 「何しにきたんや!」「なんやなんや!」。集まっていた赤や紫、黄色の学生服姿の中学生が記者(26)に気付き、あっという間に囲まれた。県警がこの年から「周囲に暴力的なイメージを与え不安や恐怖感をもたらす」としてこういった服でたむろする少年を補導する方針を決め、取材に行った先。ドラマや漫画で見てきた「不良」が脳裏をよぎる。もしかしてボコボコにされるのでは。

拡大する写真・図版卒業式の日、友人への思いを刺繡した卒ラン姿の女子中学生=2019年3月13日午後3時54分、岡山市北区、華野優気撮影

 学生服の背や胸に刺繡(ししゅう)があった。《卒業 最愛のダチに送ります》《育ててくれてありがとう》。親や教師への感謝の言葉の数々。ん? おそるおそる話を聞いた子は皆、「服を借りるお金は母から借りました。働いて返します」「友達と好きな格好で写真を撮りたくて」と礼儀正しい。彼らは私が思った「不良」とは全然違った。

拡大する写真・図版卒業式の日、卒ランに身を包んだ男子中学生=2019年3月13日午後3時58分、岡山市北区、華野優気撮影

 標準型から形を崩した「変形」制服が過去にあったことは知っていた。が、大阪で過ごした学生時代に見たことはない。ここは学生服の生産シェア日本一を誇る岡山。変形文化は独自の進化を遂げ、今も残っているのかもしれない――。

「ヤンキー界の重鎮」に聞く変形の変遷。そして、当時の学生服を前に思い出をしみじみ語る大人たち。最後には不思議な気持ちになります。

 まずは変形の歴史をおさらい。…

この記事は有料会員記事です。残り1106文字
ベーシックコース会員は会員記事が月50本まで読めます
続きを読む
現在までの記事閲覧数はお客様サポートで確認できます
この記事は有料会員記事です。残り1106文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料会員記事です。残り1106文字有料会員になると続きをお読みいただけます。