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 コロナ禍での初詣に備え、岩手県内の寺社が感染対策を進めている。さい銭箱の上にある「鈴緒」を使えないようにするなど、いつもとは異なる形で参拝客を迎える。密集を避け、人出の少ない日や時間帯を選ぶ「分散参拝」も呼びかけている。

 正月三が日に例年24万人が訪れるという盛岡八幡宮。鈴緒は不特定多数の人が触れ、感染が広がる恐れがあるため、天井部に結んでさわれないようにした。参拝に訪れた男性(62)は「この状況だとしょうがないのかな」と話した。

 このほか、手や口を清める手水舎(てみずしゃ)のひしゃくは置かず、流水を使うようにしている。例年は元日から販売していた破魔矢や熊手などの縁起物は、すでに今月15日から並べている。権袮宜(ごんねぎ)の松峯誠和(なりとも)さん(52)は「三が日にこだわらず、参拝して頂ければ」と話す。

 神社庁(東京)は新型コロナ対策のガイドラインを公表し、参拝客にマスクの着用や手指消毒のほか、距離を取って並んだり、食べ歩きは控えたりするよう、各神社に対応を呼びかけている。県神社庁の担当者は「例年とは違う正月。安心して参拝できる体制を整えたい」と話した。

 観光客も多く訪れる平泉町の毛越寺は、31日夕方からの浄土庭園のライトアップを中止する。除夜の鐘は毎年、先着で108人のつき手を募集しているが、今回はすべて僧侶が担う。「感染者を出すわけにはいかないので、やむをえない」(毛越寺)。元旦の午前2時から同8時までは縁起物の販売も行わない。

 いつもの催しが中止となり、正月の風景は少し寂しくなりそうだ。

 二戸市の呑香(とんこう)稲荷神社は参拝者に甘酒を振る舞ってきたが、飲食を通して感染が拡大する可能性があるため、中止とした。2日夜、さらし姿の参加者が神社まで練り歩き、水をかぶって身を清める「裸参り」も2週間ほど延期する予定だ。「三が日だと混み合うので、少し間を空けてやることにした」と禰宜(ねぎ)の小保内威彦さん(40)。

 宮古市の横山八幡宮は例年1月1日に福餅まきを行ってきたが、今回は見送った。恒例の黒森神楽の権現舞も中止を決めた。それでも三が日には3万人の参拝客を見込んでおり、権禰宜(ごんねぎ)の八重樫加穂留(かおる)さん(24)は「密になるのはどうしても避けられない。マスクの着用や大声を出さないといった基本的な感染対策を心掛けてほしい」と話した。(成田認、藤谷和広)

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