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 昨年10月に関東や東北など広い範囲に激しい雨を降らせた台風19号は、10月の平均気温が約1度低かった1980年の条件でシミュレーションした結果と比べて、降水量が約11%増えていたという研究結果を、気象庁気象研究所などのチームがまとめ、発表した。地球温暖化の影響で気温や海面水温が上昇し、雨の量が増えたという。

 気象研の川瀬宏明主任研究官らは、台風19号の強さや降水分布をコンピューター上で再現。さらに、80年から気温や海面水温の上昇がなかったと仮定して同規模の台風の降水量を計算した。この結果、降水量は広い範囲で減り、関東甲信地方周辺では平均で10・9%減少していたという。

 また、工業化が進んでおらず、今より気温が1・4度ほど低かった1850年の条件でみると、降水量が13・6%減った。

 一般的に、気温が1度上がると、大気中に含まれる水蒸気の量は7%増える。ただ今回の結果では、降水量は水蒸気量の増加分よりも増えた。川瀬さんは「海面水温の上昇によって台風の中心気圧が下がり、台風そのものが強まったことも、降水量が増えた原因と考えられる」と話す。

 台風19号では13都県で大雨特別警報が出て、長野県の千曲川や福島県の阿武隈川などがあふれ、100人以上が犠牲になった。(藤波優)