ニトリは3年前から狙っていた 島忠争奪戦、誤算と勝算

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中島嘉克
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 ホームセンター大手の島忠をめぐり、同業の大手DCMホールディングス(HD)と家具大手ニトリHDが争奪戦を繰り広げた。制したのは、「後出し」で株式公開買い付け(TOB)をしかけたニトリだった。異例の展開をたどった買収劇の舞台裏を追う。

 「ニトリがそんなことをするはずはないと思っていた」。DCM幹部は10月30日夜、戸惑いぎみにそう口にした。この前日、ニトリが島忠を完全子会社にすることをめざしてTOBをすると表明していた。DCMはすでに島忠へのTOBを始めており、島忠も賛同していた。その直後に、ニトリが名乗りをあげたのだった。

 話は5カ月前にさかのぼる。5月、DCMの経営陣は島忠から打診を受け、業界再編の動向などについて意見交換。翌6月、経営統合に向けた正式な協議を始めた。

 大手同士が手を握った背景には、ホームセンター業界の「飽和」がある。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ホームセンターの需要も増えた。足元の業績は好調といえる。だが先行きは厳しい。国内の店舗数は約4800店と増え続けているのに、売上高は過去20年ほど4兆円弱で横ばいが続く。同業やほかの小売業との競争が激しくなっているためだ。

 その危機感を両社は共有し、島忠がDCMグループに入ることで一致した。10月2日、両社のトップが記者会見を開き、正式に表明。島忠の岡野恭明社長は「DCMこそがベストパートナー」と持ち上げた。弱みとするプライベートブランドにDCMの商品を投入することなどを説明した。

 だがこのとき、ニトリは動き出していた。

ニトリ、3年越しの悲願

 あるニトリ幹部は、「DCM…

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