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 新聞記者らと賭けマージャンをした問題で、不起訴となった黒川弘務・元東京高検検事長を検察審査会が起訴すべきだと議決したことを受け、黒川氏らを告発した市民団体が24日、東京都内で会見を開き、「市民の声が届いたすばらしい議決だ」と評価した。

 「法の番人の重責にあった人の賭博は見過ごせないとしっかり指摘してくれた。感激している」。黒川氏や新聞記者らを告発していた「検察庁法改正に反対する会」の岩田薫・代表(67)は、そう語気を強めた。検察が今年7月に黒川氏を不起訴(起訴猶予)としたことについては「身内に甘い処分だった」と批判。議決を受けて再捜査を始める検察に対しては「市民感情に照らして起訴していただきたい」と訴えた。

 一方、検察幹部らは、議決の結果を淡々と受け止めた。ある幹部は「検察幹部の(賭博)行為は許せないという国民感情は理解できる。重く受け止めたい」と話した。

 起訴猶予は、犯罪事実の成立を認めた上で悪質性などを考慮して起訴を見送る処分だ。別の幹部は「今後の再捜査で、どのような処分が妥当なのかを見極めたい」と話した。

不起訴、市民目線でチェック 検察審査会

 裁判にかけないと検察が判断した事案を市民目線でチェックする――。検察審査会は、検察が恣意(しい)的に不起訴にしていないかを市民が調べる仕組みだ。2009年からは、起訴すべきだとの結論が2回出れば強制起訴されるようになった。

 メンバーは11人で、選挙権のある20歳以上からくじで選ばれる。6カ月ごとの任期制で、審査では弁護士の助言も受けられる。

 起訴を求める「起訴相当」の議決は、8人以上の賛成が必要。再捜査を求める人が過半数だと「不起訴不当」、過半数に満たないと「不起訴相当」となる。

 起訴相当の議決後に検察が再び不起訴としたり、3カ月以内に起訴しなかったりした場合は、再審査をする。そこで再び8人以上が起訴を求めれば「起訴議決」となり、裁判所が選んだ「指定弁護士」が検察官役となって起訴する。

 検審が処理する事件は年間約2千件で、起訴相当の議決は数件しかない。強制起訴になったのは09年以降、兵庫県明石市の歩道橋事故やJR宝塚線脱線事故、東京電力福島第一原発事故など10件で14人。2件で2人の有罪が確定した。

 略式起訴された場合は、検審の申し立て対象にならない。