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 1989年に参院選で大敗し在職69日で退陣した宇野宗佑首相は、俳句や音楽を愛する文人政治家だった。23日に公開された外交文書には、フランスでのサミット(主要国首脳会議)で日本酒のうんちくを披露し場を盛り上げる様子が生き生きと記されていた。

 89年7月15日、パリ郊外の「新凱旋門ビル」(アルシュ)で開かれたサミットの首脳午餐(ごさん)会。ホストのミッテラン仏大統領がトリュフについて説明し、その後ワインに話題が移る。滋賀県の造り酒屋に生まれた宇野氏は、「日本酒には甘酸辛苦渋の五つの味がある」という話を披露した。

 ウイスキーをたしなむサッチャー英首相が「日本人は最近冷たいお酒を飲むようになったのか」と質問。宇野氏は「日本では最近冷酒が売れ、スコッチ(ウイスキー)の輸入も増えている」と英国へのリップサービスを忘れなかった。

 当時、在米国大使館員だった鶴岡公二・元英国大使(68)は宇野氏の通訳を務めた。「日本酒の五つの味」をとっさに訳したのは今でも忘れられない思い出だ。「それはもう死にそうだったんですよね。『どういう風にそれを英語で言うのか。そんなの前に言ってくれよ』と思った」と笑いながら振り返る。後で他国の通訳たちに「よく訳せたな」と褒められたという。

 公開文書には、宇野氏とブッシ…

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