拡大する写真・図版しりあがり寿さん

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 新型コロナウイルスに揺れた2020年がまもなく終わります。2002年からほぼ毎日、朝日新聞の夕刊に4コマ漫画「地球防衛家のヒトビト」を描き、時事ネタを笑いに変えてきた漫画家しりあがり寿さんには、どんな1年に映ったのでしょうか。今年の作品とともに、振り返ってもらいました。

「地球防衛家のヒトビト」とは?
朝日新聞夕刊に連載中の4コマ漫画。トーサン、カーサン、ムスメ、ムスコの一家4人が地球を救うため、日常を全力で生きる、ブラックユーモアたっぷりのコメディー。12月に連載回数が5500回を超えた。

 ――今年は12月上旬までに276作描いていますが、コロナの漫画は何本あったと思いますか。

 しりあがり:半分以上じゃないですかね?

 ――はっきりとコロナだとわからない作品もありますが、ざっと170本はありました。だいたい6割でしょうか。一つのテーマでこれだけの漫画を描くのは、東日本大震災のとき以来ではないでしょうか。

 しりあがり:震災のときより多いかもしれないね。震災はケガで、コロナは病気と言うのかな。ケガは全体のストーリーの中で、「今、ここだな」というのが見えるんですけど、コロナはここから先が、まったく見えない。ここから「元気を出していこう」なのか、「心配していこう」なのか。どっちで描いていいか、わからない。急に警戒してみたり、急にゆるくなってみたり、それがダラダラ続いたり……。

 ――最初に描いたコロナの漫画、覚えていますか。

 しりあがり:おそらく1月くらいに、お医者さんにかかったら、確率は低いけどコロナというのが……。

拡大する写真・図版1月21日「どれなんですか?」

 ――すごい、全部覚えているんですか?! それが最初でした。

 しりあがり:全部は覚えていないけど、このときは、いつ描こうか、どう描こうかと、悩んでいたから。動きが速そうだったので。

 ――このころはまだコロナの話題もワン・オブ・ゼムでした。これは最初のマスクのネタ。品薄になり始めたころでしょうか。作中のみんながマスクをつけるようになるのは緊急事態宣言が出た4月上旬ごろからでした。

拡大する写真・図版2月7日「ウイルス並みの」

 しりあがり:このころはまだ、ふざけているね。正体がわからない不安と、大したことないんじゃないかというのと。どんな気持ちを持てばいいか、わからなかったんですよね。

 ――2月末ごろから、コロナの話題が急増します。

拡大する写真・図版2月20日「重症の経済」

 しりあがり:最初は健康より景気のことが心配だったんですよね。消費税で去年からダメになってきていたので、2020年は日本経済がどうなるかの正念場だった。オリンピックで、今までの投資を回収するはずが、こんなことになっちゃった。

 ――グラフを使った作品をよく見ました。

拡大する写真・図版3月7日「比例するグラフ」

 しりあがり:今年は国民みんなで「グラフを見た」年だったよね。増えたとか減ったとかで、一喜一憂しましたね。

 ――トイレットペーパーがなくなる、なんてこともありました。

拡大する写真・図版3月10日「来店目的」

 しりあがり:おかしかったですね。なんでトイレットペーパーがなくなるのか、わからないよね。危機になると、おしりをふく心配ばっかりするんだよね。日本人は。

 ――振り返ると、油断をいましめるような内容が多かったですね。

拡大する写真・図版5月30日「油断大敵の法則」

 しりあがり:今の政府がいいとは全然思いませんけど、はっきり言ってコロナに関しては、政府がどんな対策をとろうと、最後はひとりひとりが感染しないように気をつけるしかなくて。漫画家としては、皆に注意を促した方が、収束に近づく気がするんですよね。

 ――油断というのは、誰の…

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