拡大する写真・図版カビの生えた屋根裏を清掃、消毒液で拭いていく=千葉県鋸南町、川村直子撮影

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 外からは見えない、災害の爪痕がある。昨年9月の台風15号で住宅の屋根が壊れた後、業者不足やコロナ禍で修復が滞った影響で、天井がたわみカビが覆うなど、被害の広がった家屋内。ボランティアたちがその復旧を支えている。

 「その場しのぎじゃ意味がない。だから一軒一軒、時間がかかる」。千葉県鋸南町でボランティアを続ける建築板金工、石川成政さん(42)は言う。

 災害直後は応急対応に家々を回った。本格復旧は業者の手で進むだろう、と考えていた。だが通うにつれ見えてきたのは、修繕の自己資金も公的支援も足りず、取り残される高齢者や障害者らの姿だった。

 「俺らがあきらめちゃ、どうにもならない。なるべく長く持ちこたえる家にしていこう」。とび職などの経験もある石川さんは本業の傍ら、町のボランティアグループ「鋸南RCV」で技術を伝え、率先して動く。メンバーは「技術系」に限らない。限られた活動資金で知恵を出しあい試行錯誤を重ねる。さまざまな職種の人たちが休日ごとに集い、活動を続けている。(川村直子)