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 岸信夫防衛相は25日の記者会見で、新型コロナウイルスに感染した海上自衛隊トップの山村浩・海上幕僚長と西成人・海上幕僚副長が、総勢14人で送別会を行っていたと発表した。会合は菅義偉首相がステーキ店で多人数の会食をした2日後、反省の弁を述べた当日だった。感染との関連は調査中としているが、防衛省・自衛隊の危機管理体制が厳しく問われる事態だ。

 発表によると、山村氏と西氏は16日、異動者の送別会に参加し、14人で飲酒を伴う食事をした。海上幕僚監部では山村氏と西氏を含め計8人の感染が判明しているが、うち4人が送別会に参加していたという。山村氏と西氏は無症状で、官舎から執務を続けている。

 岸氏は「我が国の安全保障を担う組織であることを考えれば、配慮が足りない面があった」として山村氏を指導する考えを明らかにした。一方で「飲酒量は乾杯程度で喧噪(けんそう)を伴うものではなかった」と強調。「空調設備のある大型会場で、席と席の間隔を確保し、アクリル板を設置するなど、感染症対策は徹底していた」と釈明した。

 岸氏が11月30日に出した通達では「複数人による食事(乾杯程度の飲酒を伴う場合を含む。喧噪を伴うものを除く)」を認めつつ、「5つの場面」に関する政府分科会の提言を踏まえた感染症対策の徹底を求めている。この提言は感染リスクの高まる場面として「飲酒を伴う懇親会等」「大人数や長時間に及ぶ飲食」を挙げ、「5人以上の飲食では、大声になり飛沫(ひまつ)が飛びやすくなる」に注意を呼びかけているが、岸氏は「人数だけで判断するわけにはいかない。大臣通達にも直接的に反するものではない」と述べた。

 大人数の会食をめぐっては、首相が14日に5人以上のステーキ会食に参加して批判を浴び、16日に「国民の誤解を招くという意味においては真摯(しんし)に反省している」と陳謝した経緯がある。(寺本大蔵)