[PR]

 第三セクター阿佐海岸鉄道(本社・徳島県海陽町)が導入の準備を進めている、線路と道路の両方を走るDMV(デュアル・モード・ビークル)について、今年度中としていた運行開始時期が来年度に延期されることになった。25日に徳島市内で開かれた関係自治体による阿佐東線DMV導入協議会で決まった。来夏の東京オリンピック・パラリンピックまでの運行開始を目指すとしている。

 徳島県によると、新型コロナウイルスの影響で関係機関との協議や必要な認可手続きがずれ込み、工事の着手が遅れた。DMVの本格的な営業運行は世界初とされ、今後の性能試験の項目が予定より増えたことや、追加の安全対策、マニュアルづくりなどにも時間を要し、日程を見直さざるを得なくなったという。

 一日も早く運行開始できるよう、習熟訓練の前倒しを検討するなど今後も工夫を重ねたいとしている。

 また、増額を重ねて約13億9千万円としていた事業費は、さらに約16億3千万円に膨らむ見込みになった。無人駅に遮断機開閉確認装置を設置するなど追加の安全対策▽JR牟岐線から編入した区間での老朽化した線路の交換▽代替バス輸送の期間延長に伴う費用増などが増加の要因という。

 一方、11月末に運行を終えたディーゼル車両2両のうち、1992年の開業当初から活躍した「しおかぜ」は、阿佐東線・海部駅(海陽町)で展示される見通しとなった。廃止された高千穂鉄道(宮崎県)から譲り受けて2009年から走ってきた「たかちほ」は、新たな譲渡先を探しているという。(斉藤智子)

関連ニュース