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 「桜を見る会」前日の夕食会をめぐり、公設第1秘書が立件された安倍晋三前首相が25日、国会で説明に立った。「深く反省」「責任の重さを痛感」としながら議員辞職は否定し、説明も繰り返しが目立った。地元・山口でも厳しい受け止めが広がった。

 2017年の「桜を見る会」と夕食会に参加した下関市の70代女性は、安倍氏の釈明を素直に受け止めた。「反省すべきはしてもっと頑張ってほしい」。安倍氏に近い60代の後援会関係者も「本当に知らなかったと思うし、不起訴とした検察の判断がすべて。事務所で行き違いがあり、ずるずると続いたのでは」とかばった。

 だが、安倍氏の説明に納得が広がったとは言いがたい。「(安倍氏が)補塡(ほてん)したお金の出入りにノータッチだったなんてあり得ない」。地元議員の一人は「秘書や事務所に委ねていた」とする安倍氏の説明に疑問を投げかけた。「事務所のお金の出入りに明細を付けて説明責任を果たしてもらわないと、国民の不信は取り除かれない」とさらなる説明を求めた。

 長門市の心理カウンセラーの60代男性は、国会質疑の様子をテレビで見た。事実と異なる答弁を繰り返したことへの謝罪の場だったが、「のらりくらりと答弁していた印象。国民の疑問に十分答えたとは言えない」と苦言。安倍氏側の費用負担をめぐり、安倍氏は「利益を供与して票を集めようなんてつゆほども考えていない」と強く否定したが、男性は「今回の事件は利益供与に当たる疑いがある。違うならば安倍氏が証明してほしい」と求めた。

 「結果として事実と違う答弁をした」と陳謝した安倍氏を見た山口市のタクシー運転手の男性(72)は、「知らなかったわけがない。しらじらしくて国民をばかにしている」と批判。「秘書に任せていた」と繰り返す安倍氏には「ひきょうな逃げ口上だ。本人が自覚するまで、国会議員にはもっと追及してほしい」と訴えた。

 安倍氏の責任の取り方にも批判が向けられた。「裏切られた」と話す下関市内の70代男性は「議員辞職に値する。これで終わりにせず、真相を究明すべきだ」。山口市内でパン屋を営む女性(36)は、議員辞職を重ねて否定した安倍氏にこう迫った。「一般的な感覚として、やはりリーダーが責任を取って辞めないといけないんじゃないか」(貞松慎二郎、林国広、高橋豪)