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 東京都調布市の住宅街で10月、市道の陥没が見つかった問題で、近隣住民ら13人が25日、同じ地域の地下で行っているトンネル工事の延長を認めないよう国と都に求め、東京地裁に提訴した。都内で会見した住民らは「工事を続ければ、今後も建物損壊や人身事故が起こり、被害が出る可能性がある」と訴えた。

 陥没をめぐっては今月18日、地下工事を行う東日本高速道路(NEXCO東日本)の有識者委員会が「工事が要因の一つである可能性が高い」との中間報告をまとめ、家屋被害に対し補償する方針を示した。NEXCO東日本には、10月末までに家屋被害や振動などを訴える問い合わせが約120件あったという。

 地下工事は東京外郭環状道路(外環道)の練馬―世田谷区間を整備するためのもので、国と都が2014年に認可。深い地中を掘り進められる「大深度法」に基づき、土地の所有者の承諾がなくても地下工事を行うことができる。工事期間は来年3月まで。工事の延長には、国や都が延長を認める必要がある。

 原告らは今回の訴訟で、大深度法が財産権を保障する憲法29条に反すると主張。地下工事により地盤沈下や陥没などの影響があるため工事延長の認可差し止めを求めている。

 また、原告らは陥没事故が発生する前の2017年にも、こうした危険性を指摘して工事の認可取り消しなどを求めて提訴しており、その訴訟と合わせて審理をするよう地裁に申し立てた。

 原告の一人、丸山重威さん(79)は、地下工事が始まってから自宅の壁にひびが入ったという。「この際工事をやめて、大深度法を廃止してほしい。人間の命と暮らしが大事なら、国や都は決断するしかない」と訴えた。(新屋絵理)