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 24日夕方、大阪市や堺市を走る電車やバスで、サンタを見た人がいたかもしれない。厳しい環境にある子どもたちにクリスマスプレゼントの本を贈る「ブックサンタ」。全国で1万冊の本を届ける計画で、関西では39人のサンタが駆け巡り48冊の本を届けた。

 この活動は、困窮家庭の子どもや闘病中の子どもに本を贈ろうと、2017年に始まった。主催するNPO法人「チャリティーサンタ」(東京)大阪支部の山田風夏(ふうか)さん(23)は、駅のホームや街角で親子連れに手を振りながら、「メリークリスマス」と声をかけた。大阪支部はこの日、27家庭を回った。

 山田さんはJR大阪環状線や南海本線を乗り継いで3軒を回った。電車で移動中もボランティアスタッフと話し合い、サンタらしい語り口になるよう何度も練習した。「届けるまでの準備は大変だけど、玄関で子どもや家族の笑顔を見るとやってよかったと思える」

 届ける本は、寄付したい人が全国307の提携書店で購入した絵本や児童書。コロナ禍でストレスのたまる子どもを元気づけようと、過去最多の約1万冊が集まった。本は全国39支部を通じ、申し込みのあった家庭に届けられる。

 大阪府四條畷市の自営業脇寿雅子(すがこ)さん(45)は11月下旬、書店で「100にんのサンタクロース」の絵本を選んだ。「子どもの貧困や虐待のニュースを見聞きするたび、できることはないかと考えた。絵本を手に取った子どもが楽しい気持ちになってくれたら」

 同府枚方市に住む6歳と4歳の姉弟にも絵本などが届いた。両親は今年離婚。一緒に暮らす母親(35)は、コロナ禍でパートの収入が半減した。「子どもには我慢ばかりさせたので、クリスマスだけでも思い出をつくってあげたい」と申し込んだ。

 大阪支部代表の北次(きたつぎ)信孝さん(34)は「コロナで大人も子どもも余裕がない状態が続く。一番我慢を強いられてきた子どもたちをサンタ姿でいっぱい褒めてあげた。それが人に優しくなれる種をまくことにつながるから」と話した。(藤本久格)

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