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 自民党衆院議員だった吉川貴盛・元農林水産相(70)=北海道2区、議員辞職=が大臣在任中に鶏卵生産・販売大手「アキタフーズ」(広島県福山市)の前代表(87)から現金計500万円を受け取った疑惑をめぐり、アキタ社が購入した吉川氏側のパーティー券約300万円分を複数の個人名義に偽る形で処理し、収支報告書での公開を避けていた疑いがあることが関係者への取材で分かった。

 東京地検特捜部と広島地検は25日、収賄容疑のほか、政治資金規正法違反の疑いでも吉川氏の関係先を家宅捜索。東京の議員会館や議員宿舎、札幌市の事務所などが対象で、立件を視野に本格解明を進める。

 関係者によると、吉川氏の政治団体が2019年に開いた政治資金パーティーをめぐり、アキタ社は会社の費用で約300万円分を購入したが、複数の個人名義で購入したと見せかけた疑いがあるという。

 パーティー券購入が「1回20万円超」の場合は購入者や金額が公開されるが、吉川氏関連の政治団体の収支報告書にアキタ社の記載はない。特捜部と広島地検は、吉川氏とアキタ社の親密な関係を隠すため、複数の個人が20万円以下ずつ購入したように装ったとみている模様だ。規正法はパーティー券について、他人名義での購入や1回150万円超の購入を禁じている。

 吉川氏は、農水相だった18年11月~19年8月、都内のホテルや大臣室で、前代表から計500万円を受け取った疑いもある。吉川氏は今月21日に特捜部の任意聴取を受け、現金受領を認める一方で「返すつもりだった」と説明したという。

 特捜部は、現金500万円が大臣の職務に関して受け取った賄賂の可能性があるとみて調べている。

【動画】吉川貴盛事務所での捜索を終え、段ボール箱を車に運び込む係官たち=25日夕、前田健汰撮影