ロンドン=遠田寛生
ラグビーの「母国」イングランドなどで、選手の脳に残る後遺症が問題となっている。対策が不十分で試合や練習で脳がダメージを受け、障害が出たり認知症になったりしたとして、元選手9人が国際統括団体ワールドラグビー(WR)などを相手に集団訴訟を起こす方針を固めた。こうした動きが広がると、競技の今後に影響が出るかもしれない。
「我々は今、とても深刻な問題に直面している」
イングランドラグビー協会(RFU)のビル・スウィーニー最高経営責任者(CEO)は12月11日、1年を総括する記者会見に応じ、硬い表情で話した。
「深刻な問題」とは、元イングランド代表で2003年ワールドカップ優勝メンバーのスティーブ・トンプソンさんによる告白だった。スクラム最前列の中央を担うフッカーだった42歳は8日、英ガーディアンに脳に障害が出ている現状を語った。
「試合結果や、自分が大会に出たことすらも思い出せない」
認知症の兆候が診断され、原因はラグビーだとしている。現役時代は練習から激しく頭をぶつけた。最近、道順や人の名前を忘れる深刻な状況にあり、ラグビーをプレーしたことを後悔しているという。
同様の症状に苦しむ元選手が次…
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