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 ラグビーの「母国」イングランドなどで、選手の脳に残る後遺症が問題となっている。日本にも、この問題に悩まされ続けた選手がいる。

 元日本代表で神戸親和女子大教授(スポーツ教育学)の平尾剛さん(45)は、脳振盪(しんとう)の影響で31歳の時に現役引退を余儀なくされた。引退後、日常生活に支障はないものの、時折、目の焦点が合わなくなる時があるという。その経験から、公式戦を戦う後輩選手たちに訴える。

 「脳振盪を正しく怖がることが大事」だと。

     ◇

 神戸製鋼の選手だった2005年の練習中でした。衝撃を和らげるタックルバッグを持って、同僚のタックルを受けたら、立ちくらみがしてしゃがみこんでしまった。右目側の視界がぼやけて、人が二重に見えました。

 「おかしい」と思い、しばらく練習を休みました。病院で検査したのですが「異常なし」と診断されました。病院を4カ所回り、首の血流もチェックしましたが原因は見つかりませんでした。

 結局、医師からは「医学的に証明できないが、視神経に何らかの障害が起きているのではないか。恐らく(以前に発症した)脳振盪の後遺症もあるのだろう」と言われました。

 約2年間、リハビリと復帰を繰り返しましたが、改善は見られませんでした。

 その間、いくつもの感情が交差しました。ラグビーができない悔しさ。自分のふがいなさを責めもしました。同時に、チームに対するネガティブな感情も芽生えました。

 思い当たる節があったんです。02年の日本選手権、サントリーとの決勝でした。私は試合中に脳振盪を3度起こしました。

 足元がふわふわして「もうパフ…

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