松尾由紀
拡大する「まだ失敗も多いけれど、お客さんが笑顔になってくれるのがうれしい」と話す大場由佳さんとニホンザルのあいちゃん=2020年12月2日、神戸市北区、松尾由紀撮影
着物風の衣装は、ニホンザルのあいちゃんと色違いだ。キンと冷えた冬の青空のもと、道の駅「神戸フルーツ・フラワーパーク大沢(おおぞう)」(神戸市北区)でトントトトーンと太鼓をたたき、大場由佳さん(22)は猿まわしの公演を始めた。
「頑張ります。楽しんでくださいね」。よく通る声に加え、「頑張る」では、開いた両手を顔の横に立て、「楽しむ」では、両手を胸の前で動かす。
デビューからまだ4カ月だ。「世界できっと私だけ」の手話も使った猿まわしショーが始まった。
大阪府泉南市で生まれ育った。物心ついたころから動物が大好きで、母が「動物について学べる」と教えてくれた府立農芸高校(堺市美原区)に進んだ。
「どうして手話ができるの?」とよく聞かれる。自分は健聴者で、身内に手話が必要な人はいない。だけど、手話とは不思議に縁があった。
拡大する大場由佳さんとともにパフォーマンスを披露する「アイノテ」=2020年12月2日、神戸市北区、松尾由紀撮影
幼いころ、ガールスカウトの活…
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