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 英国で流行が広がる新型コロナウイルスの「変異種」。国内でも25日、英国に滞在歴のある人の感染が確認された。欧州疾病予防管理センター(ECDC)の資料によると、変異したウイルスの報告は11月ごろから英国で増え、12月20日時点では週平均で全体の約1割超と急拡大した。感染力が強いとされる一方、重症化しやすさやワクチンの有効性について詳細が判明するのはこれからだ。この変異種はなぜ注目されたのか。私たちはどのぐらい心配すればいいのだろうか。ウイルスのゲノム解析に詳しい、東海大学の中川草(そう)講師に聞いた。

 ――国内でも新型コロナの「変異種」が確認されました。どのくらい心配すればいいでしょうか。

 まず、変異はウイルスが増えるとき、一定の割合でいつも起きているものです。多くの変異はウイルスにとって感染を広げるのに不利、もしくは有利でも不利でもない「中間的」なもので、変異そのものをそこまで心配する必要はありません。今回は、英国政府がいち早く警戒を呼びかけたことで、変異したウイルスが他の国に拡散する前に気づくことができていると思います。もし重症化に関係しないとしても、感染者が増えれば医療提供体制へのインパクトが大きいので、ここで食い止める必要があります。現状では、国内での感染例も数件で、封じ込められる可能性はある。

 ――そもそも変異とは。何が変わることなのでしょう。

 新型コロナの遺伝子は「RNA」と呼ばれる物質でできています。RNAは4種類の塩基という化学物質が一列に並んだ構造をしていて、新型コロナのRNAは、全部で約3万個の塩基が並んでいます。ウイルスが増えるときにRNAもコピーされますが、その際、いくつかの塩基が別の種類に変わったり、抜け落ちたりする。コピーを間違えること、それが変異です。感染者が増えるほど生じた変異が引き継がれていくため、現在の新型コロナには多様な変異が存在します。

 ウイルスをかたち作ったり、感染したり増えたりすることに関与するたんぱく質は、このRNAの情報をもとに作られるため、塩基に変異があると、たんぱく質の構造が変わることがあります。そうなると、感染しやすさなど、ウイルスの性質が変わる場合があります。

 ――変異は一定割合でいつも起…

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