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 ヤバそうな世界の有象無象の飯を見せる「ハイパーハードボイルドグルメリポート」。まじめなドキュメンタリーなのかバラエティーなのか、よく分からない番組は2017年、テレビ東京で放送が始まった。これまでに行ったのは約15カ国。カメラを通して伝えたかったのは何か。見どころや取材の裏話を、番組プロデューサー・上出遼平さんのインタビューとともに紹介する。

① リベリア・元少女兵の娼婦(しょうふ)飯(2017年)

 人肉を食べた少年兵たちがいるという伝説のあるリベリアで、「絶対に入るな」と地元警察に言われた危険地帯へ。国内で最も危ないとされ、警察が完全武装で取り締まっている。

拡大する写真・図版リベリアの墓地では、人食い伝説のある元少年兵たちにもみくちゃにされ、持ち物を奪われそうになった(C)テレビ東京

 そこは、内戦を生き抜いた元少年兵ら約900人の住む巨大墓地。強盗やスリで日銭を稼ぎ、コカインを吸って暮らしている。

 意を決してなかへ入ると、彼らに囲まれて大騒ぎになり、持ち物を奪われかけた。

 突然、カメラは1人の女性を捉える。ひとの頭蓋骨(ずがいこつ)を手にして笑う彼女は、殺された両親の敵討ちで兵士になったという元少女兵ラフテー。

 今は娼婦をしながら墓地で暮らす。

 これまでの客は「千人くらい」。

 夜、彼女の食事と仕事に同行すると、真っ暗闇な世界が広がっていた。

 仕事場は、売春通り近くの荒れ果てたトタン屋根のバラック。ろうそくもない暗闇の中だった。

 この日の食事は、寸胴鍋で煮込まれたカレー。150円で、さっき客を取って得た200円とほぼ同額だった。そんな彼女に聞いた。「今、幸せ?」

【上出さんの食リポ】  「天国のような地獄のような」

 カレーは天国とも地獄の味ともつかない妙味でした。

 見た目は地獄感が漂っている。いや、みなぎっている感じ。一皿で生命を維持してやろうという気概みたいな。塩分、ミネラル、たんぱく質、油分を鍋でごった煮にしたような味でした。

 ラフテーはコカインと汗のにおいがした。

 通りの脇にある食堂は、金網の柵をトタン屋根で覆った空間。最初に入った時は、暗くて何も分かりませんでした。

 あの墓地から生きて出てこられたのは奇跡。丸腰でカメラなんて持って入っては絶対いけない場所でした。

 僕を殺してカメラを奪えば幾ばくかの金が入り、数カ月分のコカインが買える。でも、だからこそ人の見たことのない何かがあるって思ったんです。

② 台湾・マフィア組長のぜいたく中華(2017年)

 人を殺した人間の飯を見る――。その目的を遂げるために飛んだのは台湾。映し出されたのは、親日と美食の観光大国とは違う裏の顔だった。

拡大する写真・図版台湾マフィアの宴会に出てきたフカヒレスープ。他にも蒸しハタの甘酢あんかけなど豪華なメニューが続々登場。料理の合計金額は1万円だった(C)テレビ東京

 マフィアに本当に会えるのか、撮影できるのか。案内してくれたのは、謎の女性。経営するワインバーの客に黒社会とつながりのある者がいて、これから開かれる宴会に連れて行ってくれるという。

 着いた先はレストラン。出迎え…

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