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 大みそかから年始にかけて多くの初詣客でごったがえす茨城県内各地の神社が、新型コロナウイルスの感染を広めまいと対策を練っている。昇殿する人数を減らしたりお守りなどの陳列をやめたり。願いごとを代理人に託して、祈禱(きとう)の様子をネットで見る現代的な祈りの形を提案する所もある。

 筑波山神社(つくば市)は今月、「少しでも混雑していない瞬間を見つけて参拝してほしい」と、拝殿と駐車場の2カ所にカメラを設置した。神社のホームページ(HP)上で、人の集まり具合をリアルタイムで確かめることができる。

 各神社が口をそろえて呼びかけるのは、マスク着用とこまめな手指の消毒のほか、周りの人と距離をとることや三が日にこだわらない参拝の分散だ。

 年始3日間の人出が例年約80万人と、県内で最もにぎわう笠間稲荷神社(笠間市)は、干支(えと)の置物や破魔矢といった新年の縁起物の頒布(はんぷ)を12月から前倒しで始めている。混み合う前の年内に入手することを勧める。25日までに拝殿や社務所内約40カ所の抗菌処理を済ませた。「体調と相談して安心できるタイミングでお参りください」という。

 一言主(ひとことぬし)神社(常総市)では年始期間中、授与品の品定めに時間がかかって密な状態が長引かないよう、お守りなどの陳列を行わない。HPに品物の写真を掲載し、注文用紙をパソコンで印刷できるよう整備。当日は持参した注文用紙と引き換えに品物を渡す。

 特に念入りなのは、三が日に約70万人が訪れる鹿島神宮(鹿嶋市)だ。

 大みそかに、体温を可視化できるサーマルカメラを楼門下に設置する。発熱の予兆がある人が来たら、仮設の救護所で様子を見たうえ境内に入るのを遠慮してもらう。拝殿前で行列する一人ひとりの検温も行う予定。授与所では係員が入室人数を調整する「テーマパーク方式」をとり、混雑しないよう気を配る。

 さらに、伝統と現代の技術を掛け合わせた新しい取り組みが「御師(おし)」による代参祈禱。御師とは、江戸時代を中心に各地で参拝や宿泊の世話などをした人たち。今回、かつて鹿島神宮の御師をつとめていた家の子孫に依頼し、元日の初祈禱で神職による祝詞(のりと)の奏上を代理で聞いてもらう。様子はビデオで収録して、遠方の人でもネットで動画を見られる仕組みだ。願いごとの申し込みは28日まで郵便で受け付けている。

 同神宮メディア対策室の新鞍(にいくら)知規室長によると、ここまで感染防止に力を入れるのは、初詣の風習を途切れさせてはならないとの強い思いがある。「神様を信じない人でも祈るのは、命を大切にする思いから。コロナ禍だからこそ、祈りの本来の意味に立ち返って参拝してほしい」と話した。(庄司直樹)

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