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 新型コロナウイルスの変異種発見を受け、政府は26日、全世界を対象にとってきた二つの出入国緩和策を28日から一時停止すると発表した。すでに英国と南アフリカは対象から除いていたが、除外対象を全世界に広げる。停止期間は来年1月末までとするが、感染状況次第で延長する可能性もある。一方で中韓など16カ国・地域を対象としたビジネス往来の枠組み(11カ国・地域と実施済み)は維持する。

 政府は来夏の東京五輪・パラリンピックで全世界から観客を受け入れようと、出入国緩和を進めてきた。来春には五輪後のインバウンド回復をめざし、感染症対策を施した小規模分散型ツアーの受け入れも検討している。変異種が各国に広がり、国内でも発見されたことで、政府の出入国緩和策は抜本的な見直しを迫られる可能性がある。

 政府は英国や南アフリカを含む約150カ国・地域について外国人の入国を原則拒否する一方、6月から出入国緩和を進めてきた。

 まず感染状況が落ち着いている中国、韓国、台湾、ベトナムなど16カ国・地域を対象に、ビジネス往来の再開に向けて交渉する方針を決定。厳しい防疫条件のもと①出張などの短期滞在者を2週間待機免除で受け入れる②駐在員や技能実習生などの中長期滞在者を2週間待機付きで受け入れる――という枠組みについて、11月末までに11カ国・地域(①は4カ国)と合意し、相互往来が再開した。

 10月からは③ビジネス関係者以外についても、中長期滞在者を中心に、全世界からの新規入国受け入れを再開。11月からは出国を促すため、④短期の海外出張から戻る日本人や、海外から再入国する日本に在留資格のある外国人について、行き先を問わず帰国後の2週間待機を免除した。

 変異種の発見を受け、今月28日からは、③と④の枠組み自体を停止する。①と②は維持するため、外国人の新規入国を完全に止めるわけではない。入国拒否の例外として、人道上配慮が必要な例や外交官ら「特段の事情」がある外国人も引き続き入国を認める。

 さらに今月30日からは、変異種が発見された国から帰国する日本人について、出国の72時間前までに陰性を確認した証明書の提出を求めるなど、検疫体制も強化する。政府によると、変異種が発見された国は26日現在、英国と南アフリカのほか、イタリア、アイスランド、豪州など9カ国。