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働くってなんですか

 コロナ禍が収まらず、厳しい暮らしの人がたくさんいます。安全網(セーフティーネット)をいかに整備するかが政府の大きな役割です。そんななか、あらゆる人に最低限の生活資金を一律に配る仕組みを求める声があります。「ベーシックインカム」と呼ばれるこのやり方には賛否両論あります。私たちの働き方にもにも大きく関わります。

 12月11日、市民活動家ら10人が東京・霞が関の財務省を訪れ「年末までに全国民に追加で10万円を配り、コロナが収束するまで定額現金給付を続けてほしい」と請願書を出した。

 コロナ禍で全住民に配られた一律10万円の特別定額給付金を一回限りにせず、困窮する人々を救うために続けてほしいという主張だ。申し入れた一団のひとりで市民活動家の増山麗奈さん(44)は、「現在も困窮している人たちがいる。路上で寝られる気温じゃない」と話した。

 増山さんは東京芸術大の学生だった20代から、アートや映画の制作を通じて反暴力や反戦を訴えてきた。2008年のリーマン・ショックで失業した友人がうつ病になるのを目の当たりにし、貧困問題にも関心をもった。

 夫と子ども2人と暮らす東京都日野市で、仲間と「こども・おとな食堂」を開いている。1回目の12月13日には、公民館を訪れた人たちにカレーと豚汁、サンタクロースをあしらったデザートを振る舞った。次回は来年1月17日を予定している。

 増山さんは社会保障について、従来の生活保護などの制度は残し、さらに足りない分をベーシックインカムで補うべきだと主張する。助けられるべき人に制度が届かないもどかしさが理由だという。例えば日野市には生活が苦しいひとり親らが食品を受け取れる「フードパントリー」の制度があるが、まわりには知らない人が多い。

 コロナ禍で行き詰まる人は増えていて、従来の制度では十分に対応できなくなっている。増山さんによると、ある子育て中の40代女性は事務の仕事が減り生活費を補うため不慣れな風俗店で働き始めた。ある40代男性は派遣の仕事を切られて次の仕事が見つからない。「支援制度は複雑で、彼らが自ら申請に動くことは想像しづらい。生活費があと数万円足りないという理由で『貧困の穴』に落ち込んでいくことになる」。増山さんはこうしたことは、誰にでも起こりうることだという。

<ベーシックインカム(基本所得)> 政府が最低限の生活を保障すべきだという考えのもと、あらゆる人に定期的に一定額のお金を配る制度。保有資産や働く意思などの条件をつけず、会社や世帯主を通さないで個人に直接配るのが特徴とされる。スイスでは可否を問う国民投票があり、フィンランドでも実証実験がなされるなど、海外では導入に向けた具体的な議論が進んでいる。

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