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 「ヤバい奴(やつ)らは何食ってんだ」。番組のキャッチフレーズは、過激で過剰だ。テレビ東京の「ハイパーハードボイルドグルメリポート」は2017年、深夜にゲリラ的に開始。ギャングや密猟者、マフィア、不法難民に密売人とこれまでいろんな世界の飯を見せてきた。19年にはネットフリックスにも登場。支持を広げている。

 なぜ、こんなに規格外の番組が視聴者に刺さるのか。

①カオスに興奮

 ヤバい世界に突入するのだから、普通の取材のようにアポを入れて「よろしくお願いします~」とにこやかに始まるわけがない。

拡大する写真・図版人食い伝説が残るリベリアの廃虚。内戦を生き抜いた屈強な元兵士らに「何者だ!」と囲まれ、山刀を地面にたたきつけられた。彼らの中には、自分の誕生日も年齢も知らない若者がいた。さらに翌日には別の場所で、人を食べたことがある人を探した。人殺しよりもタブーで、口をつぐむ人が多かった(C)テレビ東京

 カメラを手にしたテレビマンに、向けられる視線は「誰だこいつ」「何しに来た」――。カメラはぶれながらも回り続ける。果たして無傷で帰れるのか、見ているこちらもひやひやする。

 そこが醍醐(だいご)味でもある。

 リベリアの廃虚では、山刀を持った男らに「あご取ってやろうか」「男らしくしゃべれ」と脅された。しまいには味方のはずの現地案内人にも「男らしくしゃべってくれ!」と懇願される。

 カオスな現場が、手にとるように伝わる。

②違いに驚く

 番組には、日本人におなじみの料理も登場する。

 たとえばカレーやチキン。でもネパールの火葬場の川のそばで、物乞いをしながら暮らす一家のカレーには草が大量に入っていた。

拡大する写真・図版ネパールの火葬場のそばに住む少女。食事代を稼ぐため、遺灰を流す川で死者の金歯を拾う(C)テレビ東京

 フィリピンの屋台では、フライドチキンの食べ残しが20円で売られていた。

拡大する写真・図版フィリピンの街「ハッピーランド」のグルメは、食べ残しのフライドチキン。揚げ直し、20円で屋台で売る。一帯はもともとゴミや死体を捨てる場所だった。残飯を仕入れる子どもは夜も働く。自分たちで作った歌を歌いながら残飯をあさり、つまみ食いも(C)テレビ東京

 日本なら衛生的に大問題だけど、国や地域が変われば食文化もなにもかもが違うことを実感する。

■③素顔に…

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