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働くってなんですか

 政府があらゆる人にお金を配るベーシックインカム(BI)に、著名な経営者が共感を表明しています。IT大手フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏や電気自動車テスラのイーロン・マスク氏らが知られていますが、日本でもオリックス元社長の宮内義彦シニア・チェアマン(85)が支持を明らかにしています。熾烈(しれつ)な競争社会を勝ち抜いて富を手にしながら、なぜ「究極の安全網」に関心を持ったのか。その理由を聞きました。

 ――なぜベーシックインカムにひかれたのですか。

 「2~3年前に読んだ本で、いまの日本にはプラスになると思ったのがきっかけです。日本経済は供給に対する需要の不足がはっきりしていて、物価が上がらず、デフレ傾向が続いています。政府は需給ギャップを埋めようと公共投資をやり、社会保障も充実させた。それでも、消費や設備投資は上向かない。金融政策もやってお金をジャブジャブにしたつもりだが、使い手がない。企業はためこみ、お金は家計に行き渡らない。経済政策の失敗が証明されたんだから、変えていかないといけません」

 ――だから家計に直接お金を入れる、と。

 「働いて稼ごうとしても、非正規の雇用ばかりで、びっくりするほど賃金が安い。最低賃金も十分に上がっていない。お金は家計に入らず、入ったとしてもデフレだからきょう使うと損なのであしたにしようか、となる。とりあえず1人10万円を毎月配ってはどうでしょう」

〈ベーシックインカム(基本所得)〉 政府が最低限の生活を保障すべきだという考えのもと、あらゆる人に定期的に一定額のお金を配る制度。保有資産や働く意思などの条件をつけず、会社や世帯主を通さないで個人に直接配るのが特徴とされる。スイスでは可否を問う国民投票があり、フィンランドでも実証実験がなされるなど、海外では導入に向けた具体的な議論が進んでいる。

 ――コロナ禍の経済対策として、特別定額給付金でも一律10万円が配られました。

 「1回だけだとダメ。使わない…

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