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 福島市出身の作曲家・古関裕而ゆかりの品々を展示する同市の古関裕而記念館が、全面リニューアルされる。新型コロナウイルス対策のため28日から前倒しして休館し、3月上旬に予定する再開後からは12年ぶりに入館が有料になる。

 古関をモデルにした朝の連続テレビ小説「エール」の放送が11月で終了。市は来館者が増えた記念館を全面リニューアルすることで「エール効果」を持続させたいとし、観光客が減る冬の時期を利用して工事に踏み切ることにした。

 展示内容を生涯・音楽・時代・故郷の四つのテーマに再編成し、古関の足跡をたどり人柄や功績が実感できる展示構成に見直す。具体的には、古関の特徴的な作曲の仕方が疑似体験できる立体音響を導入し、古関の音楽活動を支えた家族や仲間に関する展示ブースを設けるという。

 リニューアルに合わせて入館料(一般300円、小中学生100円)を導入し、閉館時間を30分延長して午後5時にする。

 リニューアルの費用9千万円は今年度予算に計上済みで、12月定例市議会で有料化などを盛り込んだ条例改正をした。

 2008年度末までは有料だったが、当時の市長が「市民が気軽に利用できるようにしたい」と無料化に踏み切った。市文化振興課の担当者は「リニューアルに伴って有料にし、運営費の一部に充てる。料金は東北各地の人物の記念館を参考にして設定した。過去に一度見た人も、再訪していただけるのでは」と話す。

 同館は古関が亡くなる前年の1988年、市制80周年記念事業として開館。楽譜やレコード、手紙、古関愛用のハモンドオルガンなどを展示し、作曲の際に使った書斎を再現した部屋もある。東日本大震災と原発事故後は入館者が大幅に減る時期が続いたが、今年度はバスツアーなど団体客も相次ぎ、1時間以上の入館待ちの日があるなど人気の施設となり、11月は1カ月あたりで過去最多の約1万6千人が来館した。(深津弘)