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 大阪府の外郭団体が運営している大阪北摂霊園が樹木葬エリアを新たに設け、来年春に開園する。すでにある森林の木を墓標にするドイツ型を採用する。府北部の山あいにある同霊園は近年、利用区画数の減少が続いており、公営では珍しい樹木葬の導入で需要の掘り起こしをはかる。

 豊能町と箕面、茨木両市にまたがる大阪北摂霊園は総面積は98ヘクタールあり、緑に恵まれている。

 新たな樹木葬エリア「木もれびと星の里」は霊園正面入り口奥の樹林に設ける。広さ6500平方メートル。232本の木立から自分で木を選び、その根元に埋葬できるようにするほか、集合墓も設ける。計約2千人分の区画を予定し、1件15万~120万円の想定だ。

 大阪北摂霊園は1973年に府が開いた。千里ニュータウン住民の需要に対応するのが目的だった。

 80年代は年500~800件の申し込みがあったが、90年代に入ると落ち込んだ。一方で墓じまいの動きも続き、2010年度をピークに利用区画数は減少に転じた。最寄り駅からバスで45分という立地が、家の近くに墓を求める最近のニーズの壁となっていた。

 運営する府都市整備推進センターは、費用が安いことなどから人気が高まっている樹木葬に注目した。

 公営霊園では横浜市が2007年に設けた墓地が最初とされ、関西では京都市の深草墓園に19年、樹木型納骨施設ができた。

 大阪北摂霊園では新たな木を植えていく庭園型ではなく、日本では珍しいドイツ式を採用することに。辻井正樹霊園管理課長は「他の霊園にない樹木葬として豊かな森そのものを墓地として生かせる」と話す。

 終活関連会社の鎌倉新書(東京)の実態調査によると、昨年に同社サイトで資料請求・相談し、墓を購入した約800件のうち、樹木葬が42%で最も多く、一般墓(27%)、納骨堂(25%)を上回った。10年前の調査では9割が一般墓で、樹木葬が首位になったのは初めてという。

 樹木葬と納骨堂を選ぶ理由では「子どもに迷惑をかけたくない」「継承者がいない」が多かった。

 霊園・墓石のヤシロ(箕面市)も、池田市に開設している北摂池田メモリアルパーク(池田市)で09年から樹木葬を取り入れた。契約は約4200件に達し、昨年はエリアを増設した。藤橋靖雄営業本部長は「5年ほど前から樹木葬が一般墓を上回るようになった」と話す。(川本裕司)

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