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(前編5品)ごまめにパンプキンシードから紅白なますまで

 コロナ禍で迎える年末年始は、帰省や不要不急の外出の自粛など「ステイホーム」が呼びかけられています。いつもは実家で過ごすけど、今年は自分の家でおせち料理を味わいたい。けれども、百貨店などの予約は終わったし、手作りしたいけど時間が……。そんな方も多いのではないでしょうか?

 今回、半日でとてもおいしく、洋風のテイストもとり入れて、見た目にも美しいおせち料理を、料理研究家の奥田ここさんに考案していただきました。レシピは全部で10品、番外編としてお雑煮もあります。

 「バランス良く、味の高低差をつけつつ難しくない10品を考案しました」と奥田さん。料理の工程自体は簡単ですが、レシピには、下ゆでや煎る作業など準備段階にそれぞれ工夫が施されています。「ちょっとしたことでグッとおいしくなるので、ぜひやってみてください」と奥田さんは呼びかけます。

 また、おせち料理づくりが初めてだったり、時間確保が難しかったりする人にもアドバイスをもらいました。

 「まずは買い忘れがあるとそれだけで心が折れてしまいますよね」と奥田さん。買い物メモを、野菜や魚介、その他など項目別に分けて書くことをすすめます。こうすることで、売り場をあっちこっち行き来することなく、買い忘れを防げるそうです。

 さらに、「一つのことを1個だけやるのではなくて、洗ったり切ったりという簡単な作業を同時進行でしてください」との助言も。そうした積み重ねをすることで、全体の時間がぐっと短くなるということです。

 「全部は難しくても一つ二つ興味あるものから作ってみてくれたらうれしいです。『今年、無事に過ごせて良かったな』と振り返りながら作っていれば、思ったよりあっという間です」(岩沢志気、田渕紫織)

【動画】料理研究家・奥田ここさん考案のおせち料理の作り方(前編)=岩沢志気、田渕紫織撮影

①ごまめにパンプキンシード

【主な材料、道具(4~6人前)】

干したカタクチイワシ(ごまめ)50グラム

カボチャの種40グラム

エキストラバージンオリーブオイル小さじ5

キッチンペーパー1枚

すり棒かめん棒

【手順】

1.鍋に油をひかず、ごまめを強火で1~2分、頭と尾が色づくぐらいまで煎ります。

2.キッチンペーパーの上に移し、冷まします。

3.カボチャの種を、鍋に油をひかず、1~2分ほど強火で煎ります(から煎りをしておくことで、油分が出て、香りが出ます)。

4.カボチャの種をふきんで包み、すり棒などを使って、細かく砕きます。(粗めのすりゴマぐらいの大きさになるまでが目安です。)

5.2から、頭や尾などの細かなかすは入れずにごまめだけ取り出し、エキストラバージンオリーブオイル小さじ5、塩小さじ1と、4で砕いたカボチャの種をあえます。

②数の子

【主な材料(4~6人分)】

数の子(大)2本

だし汁半カップ

日本酒大さじ1.5

みりん小さじ1.5

かつおぶし適量(お好みで)

【手順】

◇塩抜き(前日の朝)

1.ボウルに水を入れ、数の子をしっかりと浸してラップをし(または密閉容器に入れ)、冷蔵庫へ入れます。

2.約6~7時間後、水を替えます。

3.さらに6~7時間後、ほんのり塩味が残るぐらいになっていたら、水から数の子を取り出します。(数の子がまだ塩辛かったら、再度水を替え、6~7時間後に、再度同じ手順をします。)

薄皮が残っていたら、手や細めの串でやさしく取ります。

◇漬け込み(当日の朝)

5.鍋にだし汁と、薄口しょうゆ、日本酒各大さじ1.5、みりん小さじ1.5を入れ、強火でひと煮立ちさせたら、火を止めます。

6.5の漬け汁の粗熱が取れたら、塩抜きした数の子を浸します。

7.冷蔵庫へ入れ、半日ほどしたらできあがりです。

お好みで、食べる際にかつおぶしをまぶすのもおすすめです。

(かつおぶしを鍋で軽くから煎りし、それを乾いたふきんで包み、手でくしゅくしゅともんでから添えると○)

③たたきごぼう

【主な材料、道具(4~6人分)】

ゴボウ3~4本(40センチほどの細めのもの)

米酢大さじ1

レモン(小)半個

白ゴマ大さじ1.5

みりん大さじ半分

すりこぎ

【手順】

1.ゴボウを洗い、包丁で皮をこそげ落とします。

2.1のゴボウをまな板に置き、ところどころつぶれるまで、すり棒などでたたきます。

3.鍋に入る長さにゴボウを切ります。

4.鍋にたっぷりの湯を沸騰させ、塩小さじ半分と米酢大さじ1を入れ、レモンをしぼり、ゴボウを入れて強火で3~4分ほどゆでます。

ゴボウに細めの串を刺してみて、すっと通るぐらいまでやわらかくなれば、ゆで終わりです。

5.ゴボウをざるに上げ、長さ4センチに切ります。

6.白ゴマを、強火で1~2分、香りが立ってくるまで煎ります(から煎りをしておくことで、油分が出て香ばしくなります)。

7.すり鉢に、煎った白ゴマを入れ、すります。

8.すり鉢にしょうゆ大さじ1、薄口しょうゆ小さじ1、みりん大さじ半分を入れ、さらにすります。

9.8のすり鉢に5のゴボウを入れ、よくあえます。

ゴボウを選ぶ際には、細くやわらかく、歯触りのよい新ゴボウがおすすめです。

④紅白円柚子(ゆず)なます

【主な材料(4~6人分)】

ダイコン1本

ニンジン1本

ユズ1個

米酢半カップ

型抜き(あれば)

【手順】

1.ダイコンを、型抜きの高さに合わせて輪切りにし、型抜きした後、1枚あたり厚さ2~3ミリになるように輪切りにします(細切りにしても○)。

2.ニンジンを、型抜きの高さに合わせて輪切りにし、型抜きした後、1枚あたり厚さ2~3ミリになるように輪切りにします。1で使った型抜きよりも一回り小さい型抜きがあれば、それを使ってください。(細切りにしても○)。

型抜きした状態で、ダイコンは500グラムぐらい、ニンジンは100グラムぐらいの分量が目安です。

3.ダイコンとニンジンをボウルに入れ、塩小さじ1強をまんべんなくまぶします。(ここで、もまないようにしましょう。)

15~20分ほど置きます。

4.ダイコンとニンジンの水分が出てきたらボウルの中でやさしくもみ、余分な水気を切ります。

5.鍋に米酢半カップ、砂糖大さじ3.5、塩小さじ4分の1を入れ、よく混ぜて、砂糖をほぼ溶かします。

強火でひと煮立ちさせた後、お風呂の温度ぐらいまで冷まします。

6.ユズの皮をむき、皮の裏の白い部分が入らないように気をつけながら包丁でこそげとり、みじん切りにします。

7.4に、5の合わせ酢と6のユズを入れ、あえます。

⑤ひよこ豆のスパイス風味

【主な材料(4~6人分)】

ゆでひよこ豆100グラム

バター20グラム(あれば無塩)

パプリカパウダー小さじ1~1.5

【手順】

1.熱湯にゆでひよこ豆を約30秒、さっと通します。

2.フライパンにバターを入れ、中火と強火の間にかけ、バターが溶けたら、パプリカパウダーをなじませ、火を止めます。

3.2のフライパンに1のひよこ豆を入れ、ざっとあえてから、さらに塩小さじ3分の1を入れ、またあえます。

どうしてその調味料?

 レシピでは、しょうゆと薄口しょうゆを使い分けています。薄口しょうゆは、色は淡いですが、うまみと塩分のバランスが良く、おすまし系のお雑煮にとてもおすすめです。

 また、オリーブオイルも、エキストラバージンがおすすめです。うまみと香りが深く、非加熱料理に適しており、味つけの大部分を決めます。

 酒は、安いものでよいので、料理酒ではなく日本酒をおすすめします。日本酒本来のシンプルなうまみが、料理の味を引き立てます。

 酢は、米酢をおすすめします。穀物酢に比べ、コメのうまみとキレの良い酸味が素材に寄り添い、仕上がりをととのえてくれます。

     ◇

 分量は、2~3人分を2回に分けて食べると仮定して4~6人分としていますが、適宜調整してください。

 いずれも、冷蔵庫に入れて保存してください。3日ほどで食べきってください。

「紅白円柚子なます」の型抜きで余ったダイコンとニンジンで・・・漬物レシピ
①残った大根と人参を細切りにする(粗くてOK)②昆布を細切りにする  ③しょうゆ、米酢、日本酒、砂糖、みりんを小鍋に入れ、一度沸かし、冷めたら輪切りにした唐辛子を入れる  ④切ったダイコンとニンジンと昆布を、汁に漬け、しばらく置いたらできあがり

     ◇

《おくだ・ここ》 神奈川県生まれ。外資系コンサルティング会社に勤めるかたわら懐石料理を学び料理研究家に。料理教室を主宰し、豊洲市場や海外でもワークショップなどを開催する。また、各種媒体・広告へのレシピ提供も行う。