[PR]

 コロナ禍で迎える新年の正月にあたって、「ステイホーム」が呼びかけられています。親元への帰省もできなくなり、おせち料理をどうするかで頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

 「ステイホームの年末年始をどう過ごす?」をテーマに、普段から親交があるという料理家の栗原友さんと、料理研究家の奥田ここさんに対談してもらいました。「豪華なおせちを」という声が上がるかと思いきや、2人の口からは意外なアドバイスが語られました。(聞き手・岩沢志気、田渕紫織)

 ――お正月と言えばおせち料理。2人にとっておせち料理はどんなものですか?

 栗原 「義務」ですね。正直、あまり好きではないです。でも、自分でも作るし、あんなにあんなに手間をかけて作ったから、食べなきゃいけないとは思いますよね。

 奥田 義務という要素は決して否定できないよね。

 栗原 子どもがいるから、「こういうことをするのが正月なんだよ」って教えてあげなきゃいけない義務というのもありますね。

 奥田 偉い! 私は夫の実家でいつも正月を過ごすんですが、結婚して最初の頃、おせちを持って帰省することにしたんです。それがなんとなく定番になっています。絶対作らないといけないわけではないんだけど……。喜んでいただけるので作っていますね。

 ――今年はコロナでステイホームが呼びかけられています。「義務」という言葉もありましたが、「おせちをつくらなきゃ」と力みすぎている方もいるかもしれません。

 栗原 (料理を仕事としている)私でさえそうなんですよ。31日に実家に朝から行って「はぁ」って思いながら、やっていました。

 奥田 お子さんにこういう習慣があるっていうのを見せることは大事なことかもしれない。けれども、もう少しお子さんが大きくなったら習慣を見せる必要性が少なくなるのでは?

 栗原 とはいえ、父と母(料理研究家の栗原はるみさん)が決めた我が家のルールはお正月2日の夜までは家族で過ごすのがうちの決まりだから。大みそかから1日、2日はそうなってしまう。父が(昨年)亡くなってから余計にみんなで過ごそうとなっています。

 ――おせちをちょっとでも楽しく作るためには、どんなことを意識すればいいでしょうか?

 奥田 お酒を飲みながら作ればいいのではないでしょうか? そうすればフワフワしてくるからテンションが上がります。ただ、飲み過ぎてしまうとゴールできないのと手元が危なくなるで、そこは適度に。私は作り始めて、午後3時ぐらいからの後半戦はちょっと飲みながら。でもちょっとですよ!

 栗原 「自分は1年に1回丁寧な暮らしを真剣にやろうとしているんだ」という意識高い自分を楽しむことですかね。インスタグラムに写真をアップして。「ちゃんと作っているでしょ」っていうのを全世界に広げる。

 私の場合、栗原はるみ先生という人がいるので(笑)、スマートフォンで遠目に撮って、「母とつくっています」って。

 ――年末年始休みをとるのが難しく、おせちを作れない方もいます。

 奥田 負担を感じてまで作らなくてもいいんじゃないのかな。自分が食べたいとか食べてほしい方がいるなどの目的があるのなら作ればいいと思います。

 栗原 今年は仕事だからほぼできないです。去年も病気で作れなかったから、最後に作ったのは一昨年ですね。おせちは作れなければ、買えばいいんじゃないのかな。そういう時のために「宅配」があるんですし。

 ――宅配などを活用するのは一つの手段ですか?

 奥田・栗原 (声をそろえて)全然良いと思います。

 奥田 買うっていう選択肢はポジティブで良いと思う。

 ――忙しくて作れないと、何か「敗北感」を持ってしまうという声もあります。

 栗原 なんとなくわかります。「日本人の女子として」みたいな社会の雰囲気はありますよね。何でだろう。

 奥田 年始に自分が好きなものをおいしく食べたら、おめでたくないですか? 別におせちじゃなくてもいいじゃないですか。

 栗原 それを言ったら日本の文化が廃れてしまう。

 奥田 でも、それは好きな人が継承していくからいいじゃない。

 栗原 そうだね。じゃあ私はずっとケンタッキーを食べていたい。でも、お雑煮は食べたい。なますと松風焼きとか、コハダのアワ漬けとかは、張り切ってやっちゃう。自分が大好きだから。それ以外は「はぁ」と思いながらつくっています。

【動画】料理研究家・奥田ここさん考案のおせち料理の作り方(前編)はこちら。(後編)は記事の末尾でご紹介します

 ――お雑煮には関西風や関東風…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。