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取材後記・伊藤恵里奈

 私の母は35歳のとき、四国のある市役所の一般行政職の採用試験を、年齢制限ギリギリで受験して合格した。「子どもの教育費のためだった」と言っていたが、後年、「お金を稼がんと言いたいことも言えんかった」と漏らした。

 男女格差が厳然として続く日本で、特に地方で暮らす女性にとって、公務員は安定した待遇を得られる数少ない職だった。だが、今は様相が一変している。

 コロナ禍の今年、東京都内の自治体の窓口に給付金の手続きなどで人々が殺到する様子を取材した。中には職員に食ってかかり、「公務員はお気楽でいいよな」と悪態をつく住民もいた。だが常に笑顔を保ち応対する女性職員の多くが、1年ごとの更新におびえる非正規職員だと知っている住民は、何人いるだろうか。

 ハローワークや児童相談所、保…

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