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 やば、このメール返信忘れてた……。「即レス」を心がけ、その分、相手にも「いいね!」や共感を求めてしまい、疲れていませんか。いい感じの距離感って、どんな感じなのでしょう。

空気読めない人=「病気」とみなされる現代 熊代亨さん

 インターネットのおかげで私たちはこんなにも自由になったはずなのに、なぜ追われるように「いいね!」を求めるのでしょう。精神科医の熊代亨さんは、お互いを商品のように「値踏み」する社会が、居心地の悪さを生んでいると指摘します。

拡大する写真・図版熊代亨さん=東京都中央区、伊藤進之介撮影

精神科医・熊代亨さん
1975年生まれ。長野県で精神医療に携わる。著書に「『若作りうつ』社会」「健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて」など。ブログ「シロクマの屑籠」で現代人の社会適応などについて発信する。

 街の精神科医として感じるのは、いまなら発達障害などと診断されるような人が、昭和の時代にはあちこちで当たり前に暮らしていた、ということです。空気が読めなかったり、気が利かなかったりしても、煙たがられながらも職場や居場所があり、病気とみなされることはまずありませんでした。

行儀良いコミュ力、求められる人々

 そうした人たちが早い段階からの診断と治療を通じて、適切なサポートを受けられるようになったのは良いことです。一方で、いまの社会はますます清潔で行儀良く、効率的で、コミュニケーション能力が求められるようになりました。それについて行けない人に対処する需要が高まったから、発達障害が「病気」として受け入れられたようにも感じます。

 現代社会は確かに自由です。家や身分や地域によって仕事や人間関係を強制されないし、交通機関やインターネットの発達で、距離による制約も大幅に解消しました。一方で、行儀良く効率的で、コミュニケーション能力を問う社会は、そこに適応するよう、人々にハイクオリティー化を要求します。

「ちょうどいい距離感」とは。記事の後半では、文化人類学者の小川さやかさんが、レスポンスがなくてもいい国の慣習を紹介します。

 そうした社会は、人と人との関…

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