「電車のりば」。ちゃんとそう書いてあるのに、だれもそこで電車を待たない。決して、乗客に規範意識がないわけではない。
通常は「白線の内側」で電車を待つところ、なんせ、その部分は幅わずか70センチ。安全確保のため、乗客たちは道路の端に立って、静かに電車を待つ。電車が接近してきたら、わらわらと電車に近寄り、「よっこいしょ!」と乗り込む。
それが「小網町電停」の暗黙のルール。ホームがない。柵も、雨よけも、照明もない。なのにれっきとした路面電車の駅なのだ。
よく見ると、下り線の道路脇にだけ「小網町」と書かれた電停名の看板と、スピーカーがある。「新型コロナウイルス感染防止のため……」。“構内”放送も聞こえてきた。
「小網町電停の取材ですか? いや、私たちの恥部なんですけどね」。広島電鉄の原田義宏工務課長(58)は苦笑いをした。「クローズアップされるのは、なんともはがゆい」
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