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 政府の観光支援策「Go To トラベル」事業が28日から、全国で一斉に停止された。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた来年1月11日までの措置で、停止期間が一部でも含まれている旅行は全日程が補助の対象から外れる。

 今年7月22日に始まったトラベル事業は、旅費の50%分、1人1泊2万円を上限に補助する仕組み。35%分は旅行割引で、15%分はクーポン券を配布する。東京発着の旅行が対象に加わった10月以降は利用が増え、日本人の国内宿泊人数は、10月が前年同月比約81%、11月が同約84%と一気に回復した。11月末までにのべ約6850万人が宿泊で利用し、補助総額は約4千億円にのぼる。

 観光庁は、12月27日までにキャンセルすればキャンセル料は無料にし、事業者には旅行代金の5割を補塡(ほてん)するという特別対応をとった。

 そんな中で迎えた年末年始のかき入れ時に一斉停止となり、観光地の関係者や事業者らからは「売り上げ減は避けられない」との声があがった。

 東京で人気の観光地・浅草。土産物店や和菓子店などが並ぶ仲見世通りも、和装した若いカップルの姿が目立ったが、全体的な人通りはまばらだった。豆菓子店「なかつか」の中塚よしみさん(65)は「結局、今年は1年間厳しいままだった。今日も暇だよ」と話した。初詣を控えた年の瀬は例年でも人通りは減るというが、それでも「いつもなら肩がぶつかるくらいには混んでいた」。主な客層だった外国人観光客がいない今、売り上げは昨年の9割減となり、年始に向けた仕入れの量も10分の1に減らしたという。

 「Go To トラベル」事業では全国に先立って東京を目的地とする旅行が割引の対象外となったが、「『Go To』があっても大きな効果はなかった。感染を抑える方が大事なのは理解できるし、今は我慢するしかない」と話す。「来年に状況が良くなればいいけど、どうだかな……」と肩を落とした。

 カップルで訪れていた都内の大学に通う片岡航平さん(21)は「同世代のSNSに浅草の写真が載っていたので、自分たちも撮りに行こうと思った」という。元々、初詣で浅草寺にお参りに行こうと思っていたが、「混み合いそうだから迷っている。行けなかった時の分も含めて今日お参りしておきます」と話した。

 政府は、1月12日に事業を再開するか停止を延長するかについて、感染状況をみて1月上旬に判断するとしているが、感染拡大は収まっておらず見通しは不透明な状況だ。(贄川俊、増山祐史)